ファーウェイの「中の人」情報窃取疑念への回答 機器経由での盗み出しは技術的に可能なのか

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坂口:日本ではそれでもファーウェイが情報窃取しているんじゃないか、と懸念している人がいると思うんですよ。外国の例はわかりましたが、それでも疑念をもっているひとにたいして、どう説得なさろうとしているんですか。

赤田:多くの人は、スマートフォンなどの端末が、直接インターネットにつながった基地局を経てデータを渡しているとイメージしています。実際は、端末から基地局を通り、交換機を通り、そしてインターネットにつながります。ファーウェイが担当する基地局は、暗号化されたデータを渡す土管の役割です。そこでわれわれが、情報を盗み出すことは技術的にできません。

坂口:絶対にですか。

赤田:不可能です。技術的にできるという人はいません。通信事業者の方は理解しています。

坂口:ならば、交換機はどうでしょうか。

赤田:私たちがそこを運用・管理しているなら疑念もわかります。しかし、そこは通信事業者が運用・管理しています。私たちが入ることもできません。

インターネットの情報傍受と、基地局の話はまったく別

坂口:しかしあえていうと、ここから情報が外部に漏れていると考える人もいます。

赤田:交換機は、まだインターネットにつながる前です。バックドアといってもそもそも外部に直接つながっていない段階ですから、情報を抜くにも抜きようがありません。

坂口:わからないですけれども、スノーデン事件などの影響はあるんでしょうか。つまり、通信はいつでも傍受されているし、さらに情報は盗み見られている、という恐怖が広がっている状況です。

赤田:その影響についてはわかりません。インターネットで情報が傍受されているのと、基地局の話とは、そもそもまったく違う話です。しかし、さきほど言われたように、通常はそもそもスマホがどうやってつながっているのかも知らない人が多いし、知る必要もありません。だから誤解が広がったのかもしれません。

坂口:アメリカでは、スパイウェアやバックドアの証拠は出していません。ただ、ファーウェイからすると、ないものはないとしかいいようがない。ということは騒ぎが収まるまで待つという戦略ですか。

赤田:正確にいえば基地局に関しては証明する必要もない、ということでしょう。基地局から情報を盗むのは技術的に無理なんですから。まあ報道のトーンが変わっていくと、徐々に理解いただけると思いますよ。

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