あなたの部下が「報連相」しない本当の理由 なぜ情報が思うように上がってこないのか

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例えば、計画と結果がかけ離れてしまったときにその要因を検証する、あるいは新規のアイデアを考えたりするといった場合です。このような自分への問いかけとして「なぜ」を使うことはいいのですが、部下に対して使うのはよくありません。

「なぜ、期限に間に合わなかったんだ?」
「なぜ、競合他社に受注を奪われてしまったんだ?」
「なぜ、見積もりを間違えたんだ?」

このように「なぜ」と言われると、言われた側は自分が責められていると感じてしまうのです。とくに、立場の弱い部下にとっては、上司の「なぜ」という言葉に強い圧迫感を感じます。

「なぜ」を「何」に変える

極端な話、部下に対して「なぜ」という言葉を使うリーダーが世の中から減るだけで、職場でメンタル不全に陥る人が減ると言っても過言ではないと思います。

ただ、ここで誤解していただきたくないのは、「Why(原因・理由)」を分析することは悪いことではないということです。「なぜ」という言葉がよくないだけなのです。

そこで「なぜ」を「何」に変えるようにしましょう。先ほどの3つの例文を「なぜ」から「何」に変えてみます。

「何が原因で、期限に間に合わなかったのだろう?」
「競合他社に奪われてしまった要因は何だろう?」
「見積もりを間違えた原因は何かな?」

先ほどに比べると、聞かれたほうも気持ちが楽になるのではないでしょうか。「なぜ」が「責められている」と感じさせるのに対して、「何」は人ではなく起きた出来事や事象に焦点を当てています。そのため、聞かれた側は第三者の視点に立てることができ、解決策を考える余裕が生まれます。

「失敗した部下に厳しくしなくてどうするのだ」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、大切なのは脅威を感じさせることではなく、部下の今後の行動改善につなげることです。そのために、失敗を自分で冷静に考えさせるのです。

2.  解決策のヒント“だけ”を与える

迅速に対応しなければならないクレームなどの場合は、解決策をアドバイスするのはかまわないと思います。しかし、そうした緊急の場合以外は、解決策そのものではなく、ヒントを与えたほうが部下は成長します。

とくに、優秀な部下ほど、上司から解決策を押し付けられて「そのままやれ」と言われることを嫌いますし、そうでない部下であっても、ある程度は自分で考え、自由にやれる余地を欲しがるでしょう。

ヒントを与える場合は、それを強要しないようにすることと、多少時間がかかっても部下が自分で考えて解決策を見つけ出すまで見守ることが大切です。そうすることで、部下の成長が加速します。

また、男性は「解決脳」が強いのに対し、女性は「共感脳」が強い傾向にあるといわれるため、女性の部下に対して「解決してやろう」という態度で臨むと嫌がられることがあるので注意が必要です。

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