デカトロンを迎え撃つ「ワークマン」の戦略 人気の登山パンツや滑らない靴の新作を発表
ワークマンは2019年3月期決算の売上高(チェーン全店)で前期比15.3%増の918億7100万円を見込んでいる。期初には832億円を予想していたが、このほど10%もの上方修正を行った。営業利益は前期比23.2%増の131億円、経常利益は同20.5%増の143億円だ。
この大幅な増収増益はもちろん、カジュアルウェア分野への本格進出が貢献している。昨年9月に一般客向けカジュアルショップ「WORKMAN Plus」1号店をららぽーと立川に出店した後、ロードサイドの既存店の改修も含めて新業態店はこの3月末で12店舗になる。
「新業態にリニューアルした既存店の売上高は倍増したが、改装していない既存店への波及効果も高い」と、同社の土屋哲雄常務は説明する。従来、ロードサイドの既存店は平均月商1億500万円程度。
WORKMAN Plusに改装した店舗は倍の2億円まで伸びた。それだけでなく、新業態店が各種マスコミに取り上げられることで既存店の来店客が増え、その結果、2月末時点の既存店全体の平均月商は1億2000万円まで拡大したという。
来期はさらにカジュアル分野の展開を強化
今期の成功を受けて、来期はさらにカジュアル分野の展開を強化する方針だ。ショッピングセンターへのインショップを10店舗、路面新店を35店舗、路面店改装を23店舗、合計68店のWORKMAN Plusを出店する計画。これにより、来期のアウトドア系3ブランド販売額を前年比倍増以上の280億円まで拡大し、全社売上高も1000億円超えを目指す。そのため、来期もいくつかの施策を計画している。
1つはカジュアルウェア開発の加速。既存のワークウェアのカラーバリエーション展開と、一般ユーザーの要望を取り入れた機能の付加を中心に取り組む意向だ。例えば、「レインウェアを普段着にするため、派手めのデザインを取り入れたいと思っている」(土屋氏)。
実際、有名アウトドアブランドのハードシェルをタウン着として利用しているユーザーも多く、コストパフォーマンスに優れる同社のレインウェアはこうしたニーズに受け入れられやすいと見ている。
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