デカトロンを迎え撃つ「ワークマン」の戦略 人気の登山パンツや滑らない靴の新作を発表

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「ただし品質だけは手を抜かない。今、メディア各社に取り上げられ注目度が高まっているから売り上げが伸びているが、調子に乗って中途半端な商品を出せば、あっという間にユーザーは離れていくだろう。“カジュアルウェアにプロ品質を”の基本理念は愚直に守っていく」(土屋氏)

現在、国内のレインウェア市場は年間1,000億円程度と見られており、そのうち、ワークマンは12%ほどのシェアを握っていると同社は推測している。「普段着としても着られるレインウェアは2-3万枚程度で始め、2年後には20-30万枚まで増産したいと思っている」(土屋氏)。実現すればシェアはかなり拡大しそうだ。

女性用のアイテムを増やし、ショッピングセンターの中心客である女性客の来店も狙う(筆者撮影)

2つ目が女性向け市場の開拓。WORKMAN Plusでも女性用コーナーを展開しているものの、現在はワンスパン程度の売り場で、アイテム数も25と多くない。3月21日オープンの「ららぽーと甲子園店」と4月3日オープンの「ららぽーと湘南平塚店」では20坪の女性用コーナーを設置し、各ジャンルの売れ行き上位3位までの商品でSサイズを新たに制作し、販売することとした。これによりアイテム数は60強に拡大する。

「甲子園店はフードコートに面しており、平塚店は食品スーパーに面している。どちらも女性客が多い立地だが、この立地の違いが客数や売れ筋にどう影響を及ぼすのか実験する」(土屋氏)

急増する「法人顧客」への対応策

法人売り上げの拡大も図る。そもそも、カジュアルウェアの本格展開を決めたのは、今後の作業服市場の先細りを懸念したことによるものだが、WORKMAN Plusの展開により法人需要も拡大するという相乗効果も生まれている。

「従来、法人需要は各店舗で対応していた。理由は、270人と少ない本部社員をなるべく使いたくないから。人件費の面で効率が悪い。しかし、WORKMAN Plusの出店で当社の認知度が一気に上がり、店舗・本社ともに法人大手からの問い合わせが急増したため、昨年末に本社に法人部門を設置することにした」(土屋氏)

これまで、法人顧客によるまとまった数の注文は店舗で対応していたため、企業名や企業ロゴの刺繍程度の対応しかできなかったが、今後は既存のデザインにワンポイントで顧客のコーポレートカラーを挿入するなど、大きな注文が見込める場合にはある程度柔軟な対応をしていく方針だ。

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