巨大建造物を見て、何を思う 異色写真集『工場萌え』が人気

巨大建造物を見て、何を思う 異色写真集『工場萌え』が人気

縦横に張り巡らされたパイプや大きなタンク。“鉄の塊”ともいえる巨大建造物の工場に、熱視線を送る人がいる。

 教科書の出版社として知られる東京書籍が3月に発売した写真集『工場萌え』。ページを彩るのは、デザイナーの石井哲氏が撮影した四季折々、日夜の工場風景だ。巻末には、「いつ、どのポイントで鑑賞するのが最適か」など、工場鑑賞ガイドがつづられている。この異色作は、発売と同時にブログでの書き込みが半端でなく増え、口コミで話題が広がる。発売1カ月で、早くも3刷に達した。「出足は想定以上で、社内でも驚かれている」と、同社出版事業本部の角田晶子氏は語る。

 背景には、「工場鑑賞家」の存在がある。2005年ごろ、石井氏のブログ「工場萌えな日々」が開設され、これにアクセスが殺到。会員制サイト「ミクシィ」で展開される「工場・コンビナートに萌える会」は今や、登録者が7000人を突破。これらが起爆剤となり、工場鑑賞家が急増した。3月9日に都内で行われた「工場ナイト」と呼ばれるイベントには、140人もの鑑賞家が参集したという。

 団地やダムなどの建造物に、心をときめかす人もいるようだ。花鳥風月ではなく、なぜ人口建造物なのか。時代の変化を映し出しているのかもしれない。

(書き手:梅咲恵司)

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