セブン&アイ、イオンが参入 電子マネー乱戦
エディやスイカなどの登場で、身近な存在となった電子マネー。そこへ流通業界の2強、セブンとイオンが相次いで参入する。あくまで自前にこだわった両社の勝算とは。(『週刊東洋経済』4月28日号・5月5日号)
東京・四谷のセブン&アイ・ホールディングス本社。4月に入り秘書らは経営幹部の日程調整に追われた。独自の電子マネー「nanaco(ナナコ)」のサービス開始に合わせ、鈴木敏文会長はじめ幹部らが一堂に会す、過去に例がないセレモニーを開催するためだった。
そのセレモニー開催日の4月23日からセブン&アイはナナコのサービスを開始。東京都内のセブン‐イレブン1500店から導入し、5月末には1万店を超えるセブン全店で利用が可能になる。4日後の27日には、イオンも独自の電子マネー「WAON(ワオン)」のサービスを始動させる。関東(一部新潟県)のジャスコ、ミニストップなどグループ約100店に導入し、8月までに関西、仙台、その後名古屋など大都市圏のサービスを急ピッチで広げる。
電子マネーは、先行するビットワレット(ソニーなどが出資)の「エディ」や、JR東日本の「スイカ」などを中心に、すでに乱戦状態にある(次ページ表参照)。
流通2強による電子マネー市場乗り入れは、事実上の最後発だ。