政府のポイント還元事業、その「意外な狙い」

増税を機にキャッシュレス決済は普及するか

今回のポイント還元事業では、ポイント還元事業の期間中に加盟店手数料を3.25%以下にしなければ、事業の対象にならない。それとは別に加盟店手数料補助事業もあり、対象事業者になると、同じ対象期間中の加盟店手数料の3分の1は、国から補助金が出ることになっている。

さらに、キャッシュレス決済のための端末を中小・小規模事業者が導入する場合、国は導入費用の3分の2を補助する(残り3分の1は決済事業者が負担することが必要)。キャッシュレス決済の端末を導入したい中小・小規模事業者は、対象期間中なら事実上自己負担ゼロで導入できる。決済事業者から見れば、導入費用の3分の1だけ負担すれば、加盟店に決済端末を置いてもらえる。

こうして、政府はキャッシュレス決済の比率を高めようとしているが、この事業の効果がどれだけ上がるかはふたを開けてみなければわからない。ただ、この事業の予算をみると、キャッシュレス決済が浸透しそうな仕掛けが見え隠れする。

キャッシュレス関連予算は約2800億円

このポイント還元事業は、経済産業省の2019年度当初予算における「キャッシュレス・消費者還元事業」の1つである。それは4つの事業からなり、ほかの3つは、決済端末導入補助と加盟店手数料補助、キャッシュレス決済の周知・普及である。

4事業合計で2798億円が予算に計上されている。経済産業省の見込みでは、このうちポイント還元事業に千数百億円、キャッシュレス決済の周知・普及のために数十億円を使い、残りは決済端末の導入補助と加盟店手数料補助に使う予定である。もし1つの事業で想定より多く使うと、ほかの事業で使える予算がそれだけ減ることになる。

ポイント還元事業は消費者への還元が主目的であり、国民の関心も高い。しかし、予算の中には加盟店手数料の補助も含まれている。ということは、加盟店手数料の補助金で多く予算が使われると、ポイント還元事業に回せる予算がそれだけ減るということになる。

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