日本人が知らない「ハラル食品」基本中の基本 「豚肉を食べられる」イスラム教徒も存在する

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少なくともはっきりしているのは、世界の蒸留酒がイスラム社会の存在なしには語れないということと、ムスリムが多数派の社会でもお酒が存在しなかったことはない、という歴史的事実があることです。

中世の中東のイスラム世界では錬金術が盛んで、錬金術の過程でアランビック(アル=アンビーク)と呼ばれる蒸留器が11世紀には用いられていたようです。この器具を利用して生まれたものの1つが蒸留酒です。

「アルコール」の語源はアラビア語から

この蒸留器の技術は、今日でもウイスキーなどの蒸留酒をつくる際に利用されています。アルコールという単語もアラビア語のTHEを意味するアルとクフル(コール)がくっついた、つまりアル= クフルがもとです。

もちろん、中世でも公然と飲酒が認められていたわけではなかったでしょうし、今日においては特にその傾向が強いです。今日、トルコをのぞけば中東諸国をはじめムスリムが多く暮らす国では、おしなべてお酒の値段は高いです。

とはいえ、お酒がないわけでもありません。外国人が来る高級ホテルに限られている場合や酒類販売のライセンスを厳しくしていることが多いですが、ムスリムが多数派の社会でもお酒は存在します。完全に禁止されているといわれている国でも、店の裏からこっそりと持ち込んだり、密造した酒類を出してくる商店もあります。こういうと、やはりムスリムにとってお酒は後ろめたいもののようにも思えます。

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