小学校プログラミング必修化の知られざる意義 2020年導入でいったい何が起きるのか
石田:タブレットやパソコンを使ってやるんですか?
小宮山:その授業では、イギリスのBBCが中心となって開発した教育用の小型コンピューター「micro:bit(マイクロビット)」を使用していました。イギリスの義務教育では、5歳から14歳までにプログラミング言語を2言語マスターすることが必修になっていて、マイクロビットも11〜12歳の子どもに無償配布されているものです。
子ども向けに操作性を簡易化した教材
――プログラミング教育をすでに実施している日本の小学校では、どんな教材を使っているのでしょうか。
小宮山:そう聞かれると思いまして、一例として、今実際に一部の学校などでも導入しているレゴ社の教材、『レゴⓇ WeDo 2.0』をお借りしてきました。このキットでモデルを組み立てて、ソフトウェアをタブレットにインストールしてBluetoothでハブと接続すれば、あとは画面に出てきたアイコンを動かすだけで簡単にプログラミングができる教材です。
具体的には、例えばロボットを動かす場合、画面に出てくる説明書を見ながら自分でモーター付きのレゴブロックを組み立てます。その後、画面にいくつか並んでいるアイコンから、自分がロボットを動かしたい条件に合ったものを選んで、ドラッグ&ドロップするとプログラミングが完了します。あとはモーターにセンサーを取り付けてロボットを動かしてみて、自分が思っていた動きかどうかを確認しながら調整していきます。
石田:コーディングなんてしなくても、動き方、速度、音、色といったさまざまな条件や機能を持ったアイコンをドラッグ&ドロップするだけで、自分のモデルを好きなように動かせるようになるわけですね。ゲームでいろんなアイテムを手に入れて、キャラクターをパワーアップさせていって戦うのとよく似てません?
小宮山:そうなんです。座学が苦手な子どもでも、こういう教材を使用するだけで「面白そう!」と興味関心を示す子どもは多いですね。世界的には、未就学児でもプログラミングの基本的な操作を学べる「Scratch(スクラッチ)」が人気です。自分がプログラミングして作ったゲームやアニメを海外の子どもたちとシェアして、異国間コミュニケーションもできる教材です。
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