強敵?JR東海「テキサス新幹線」に新たな挑戦者 ヴァージンUSA、親会社はソフトバンク
アメリカの鉄道は貨物輸送が主体で、旅客列車の運行は都市部や一部の大陸横断列車などに限られる。鉄道各社は1960年代以降、航空機や高速道路網の発展に伴って相次いで旅客列車を廃止し、1971年に全米の旅客列車運行はアムトラック(全米鉄道旅客公社)に統合された。その後も一部私鉄が都市間旅客列車の運行を続けたが、1983年に廃止された。民間による旅客列車運行への参入は約30年ぶりだった。
FIGは2014年に新たな鉄道会社を設立し、翌年、その会社をブライトラインと名付ける。そして、2018年5月にマイアミ―ウェストパームビーチ間が開業した。現在はウェストパームビーチ―オーランド間の新線建設工事が行われており、2021年に延伸開業する予定となっている。その後はタンパへの延伸が構想されている。
車両についてはシーメンス製の機関車「チャージャー」が導入された。マイアミ―ウェストパームビーチ間の最高時速は160kmに制限されているが、将来的に延伸後は最高時速が200kmに引き上げられる予定だ。
ラスベガス高速鉄道にも着目
さらにブライトラインは別の路線にも目を付けた。ロサンゼルス近郊のビクタービルとラスベガスを結ぶ高速鉄道計画である。
もともと、アメリカ・エクスプレスウエスト社が中国との合弁で計画を進めていたが、同社は中国側のずさんな計画を理由に、2016年に合弁契約を破棄。その後、ブライトラインが同社を買収すると発表した。計画では2019年内に買収を完了させ、2023~2024年ごろに開業させるという予定になっている。ビクタービルからロサンゼルスまで延伸する構想もある。
2018年11月、ブライトラインは英国のヴァージングループと戦略的提携を結んだ。
ヴァージンは英国で「ヴァージントレインズ」を設立して鉄道事業も展開。ロンドンと英国北西部の主要都市を結ぶ大動脈を運行している。
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