JR東海「テキサス新幹線」スペインとコラボへ 資金面で不安要素残るが、実現へ一歩前進
新幹線方式を前提に計画が進んでいるテキサス州の高速鉄道計画に新たな動きがあった。同計画を主導するテキサス・セントラル・レイルウェイ社(TCR)は、スペイン政府が100%出資する鉄道会社レンフェ(renfe)を運行パートナーに指名すると、10月10日に発表した。
テキサス州の高速鉄道計画はヒューストン–ダラス間約385kmを90分で結ぶというもの。2019年の着工を目指している。
海外の高速鉄道は在来線に乗り入れ、貨物列車とも線路を共有する形式が広く普及しているが、テキサス高速鉄道は安全性を重視して日本と同じ高速鉄道専用の線路を走る。JR東海はテキサス高速鉄道に古くから関心を示しており、運行方式だけでなく車両についても東海道新幹線N700系をベースにした国際仕様「N700-i Bullet」を導入する前提となっている。
JR東海は技術面でサポート
東海道新幹線タイプの車両が走るのだからJR東海が運行にも関与するのではないかと見られがちだが、そうではない。JR東海は運行よりも技術面での支援を重視している。この点で、英国ウェスト・ミッドランズ路線の運営に参加し、運行事業の国際進出に積極的なJR東日本とは異なる。
今回、運行パートナーに指名されたレンフェは、スペイン国内でAVEという高速列車を運行するほか、サウジアラビアのメッカ–メディナ間の高速鉄道にも進出するなど国際展開に意欲を示す。
運行パートナーに指名されたことで、レンフェは高速鉄道計画の技術的アドバイスを行うほか、運行、保守、旅客サービスなどの助言も行う。JR 東海は「運行パートナーが決まり、高速鉄道計画の実現に向けまた一歩前進した」(東京広報室)と歓迎する。
JR東海は2016年にテキサス州にTCRに技術支援を行う現地子会社を設立しており、今年8月には日本企業をフォローする現地子会社を設立した。日本側企業がコアシステムを受注する際のTCRとの協議を行ったり、受注が決まった際には、各個別システムのインテグレーション、走行試験、要員養成の業務を担当するという。
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