三・一運動100周年で吹き荒れる日韓「春の嵐」

韓国の建国論争が日韓関係に思わぬ飛び火

「三・一独立運動」を再現した行進に参加した韓国の文在寅大統領(中央左)(写真:共同通信)

徴用工判決や慰安婦問題、自衛隊機への火器管制レーダー照射問題と、日韓関係は改善の糸口がまったく見えないままの状態が続いている。にもかかわらず、底なし沼状態をさらに悪化させかねないイベントが韓国で3月、4月とたて続けに計画されている。

ちょうど100年前を振り返ると、朝鮮半島が日本の植民地支配下にあった1919年3月1日、ソウルでのデモ行進をきっかけに半島全土に独立運動が広がった。それが「三・一運動」である。直後の4月11日には、独立派運動家らが結集し、中国の上海に「大韓民国臨時政府」を発足させたとされている。

そこで文在寅大統領は2019年を「大韓民国建国と臨時政府樹立の100周年」と位置づけ、「100周年記念事業推進委員会」を立ち上げた。大々的なイベントが計画されており、韓国国内のナショナリズムが高揚することは間違いないだろう。

大韓民国はいつ建国されたのか

しかし、2019年を大韓民国の「建国100年」とすることについて韓国内では異論があり、大きな論争になっている。

文在寅大統領は、三・一運動の精神と独立運動が韓国の歴史の主流であり、上海の臨時政府が大韓民国のルーツであり、建国であると考えている。しかし、この考え方は文在寅政権になって前面に強く出てきた歴史観であり、それまでは1948年が大韓民国の建国とされていた。

第二次世界大戦後、朝鮮半島では1948年5月に南側の韓国が総選挙を実施し、それを受けて8月15日に大韓民国が独立を宣言した。直後の9月9日に北朝鮮も独立を宣言した。その結果、南北分断が固定化して今日に至っている。

韓国では保守派を中心に大韓民国が独立を宣言した1948年8月15日が建国の日であり、政府が樹立された日と考えてきた。一方、保守派に対抗する進歩派も、このあたりは明確な主張はなかったようで、金大中大統領は1998年に、8月15日を「建国50年」と呼んでいる。また、文在寅大統領がかつて仕えた廬武鉉大統領も2003年8月15日に、「58年前、日本帝国主義の圧政から解放された。その3年後に民主共和国を樹立した」と表現している。

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