政情は安定しているが、来年の選挙後は不透明
ムーギー:話をインドネシアの政治事情に移したいが、ウィリアムはいわゆる華僑なわけだが、一昔前は中華系住民に対する暴動などがよく起っていたが、最近はどうか?
ウィリアム:最近は政情が安定しているが、もうひとつインドネシアへの投資で心配なのが、来年以降の政治環境だ。来年の選挙以降、どう環境が変わるかわからない。今の政権はビジネスにフレンドリーな政権だが、政権が変わればどうなるかわからない。
ムーギー:以前は中華系の住民が経済の大半を握っているとされ、インドネシアの住民から反感を買っていたが、今はどうか? そもそもいつから中華系の住民が経済的に多くを占めてきたのか?
ウィリアム:インドネシアへの中国人の進出は500年前だか何だか、正確にはしらないが、長い歴史がある。今も経済の多くを中国系の住民が占めているが、一昔前と違って極力目立たないように配慮されている。一昔前にインドネシアから中華系の名残を消そうという政策があった。
たとえば私の名前は、最近までウィリアムというファーストネームだけで、ファミリーネーム(苗字)がなかった。これは、苗字のアンクスークのアンが中国系のアンから来るので、役所が届け出のときに消してしまい、私の法律上の名前がウィリアムだけだったのだ。
しかしサウジアラビアで働くときに、ファーストネームだけだと労働ビサが下りなかったので、ウィリアムという適当なファミリーネームを作った。なお家族もそれぞれが適当なファミリーネームを作ったので、同じ家族なのに兄弟や親で苗字が違う、という一見めちゃくちゃなことが普通に起こっている
ムーギー:最近まで苗字がなく、ファーストネームだけだったのか?
ウィリアム:そうだ。この名刺を見てほしい(といってなにやら財布から名刺を取り出すと、その名刺にはウィリアム・ウィリアムと書いてある)。苗字も適当にウィリアムにしたので、わたしの名刺はウィリアム・ウィリアムと書いてあり、よく何かの間違いかと誤解されるくらいだ(笑)。
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