「やりがいある仕事を探せ」というムチャ振り ブラック企業にとって「やりがい」ほど美味しいものはない

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「やりがい」でだまされないために

最後に、こういった「やりがい」をエサにして劣悪な労働条件を押し付けてくるような悪質な企業を見分ける方法について、簡単にアドバイスしておきましょう。

まず、求人広告や採用サイトに、仕事の「やりがい」に関する情報がたくさん書いてある会社は、それだけで疑うべきです

基本的に、労働条件が劣悪な会社は、「やりがい」を前面に押し出すことで、その劣悪さを誤魔化そうとします。それゆえ、「やりがい」についての情報がたくさん載っていれば載っているほど、実は劣悪な労働環境なのではないかという推定が働きます。

ホワイト企業の求人は、実は案外あっさりしているものです。「やりがい」についてゴチャゴチャと書かなければ人が集まらないということは、つまりそういう会社だということです。

また、「成長」という言葉が使われていたら、注意する必要があります。

「仕事はきついが、その分、思いっきり成長できる環境」

「大企業に入った友人よりも、圧倒的なスピードで成長できる」

といったうたい文句はよく見かけますが、具体的に習得可能なスキルやキャリアプランなどが示されず、漠然と「成長」とだけ書いてある場合は、劣悪な労働環境を「成長」という言葉で正当化しようとしている可能性があります。

「成長」という言葉を見かけたら、まずは警戒し、具体的にどういう意味なのかをよく考えなければなりません。

実際に社員に直接話を聞く機会があるなら、「仕事のやりがいは何ですか?」なんて意味のない質問をするのではなく、「最近、いちばん大変だった仕事について教えてください」といった質問をすれば、労働環境について探りを入れることが可能です。

「毎日徹夜徹夜で、タクシー帰りで……」

という話を社員が楽しそうにするようであれば、ちょっと考えなおしたほうがいいかもしれません。

みなさんが「やりがい」という言葉にだまされることなく、まともな環境で働けることを祈っています。

最後に、「1日中家でゴロゴロ寝て暮らすだけの仕事」をご存じの方がいらっしゃいましたら、ぜひご一報ください

日野 瑛太郎 ブロガー

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ひの えいたろう / Eitaro Hino

1985年生まれ。東京大学工学部卒業。東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。大学院在学中、就職するのが嫌でWebサービスの開発をはじめ、それがきっかけとなって起業をするが、あえなく失敗。結局、嫌で嫌で仕方がなかった就職をすることになる。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」を開設。ブログはたちまち月間約50万PVの有名ブログになり、現在も日本人の働き方に関する意見を発信し続けている。著書に『脱社畜の働き方』(技術評論社)がある。

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