蓄積した資金力や技術力をフル活用し、国際貢献を--行天豊雄・国際通貨研究所理事長・元財務官

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--金融危機を経て、国際金融センターとしての東京の地位は高まっていくのでしょうか。

金融力という意味での日本の優位性は、大きな貯蓄、巨額の外貨準備にある。日本の銀行はバランスシート的に少なくとも余力はある。資金力があることは大きなプラスであるし、円高の傾向も変わらないでしょうから、ますます日本が持っている資金力は強まる。ちょうど80年代後半と似た状況にあります。

また、今度の危機をきっかけに、金融とはいったい何だったのかが問われています。金融とは本来、もう少しまじめにやるべきものではなかったのか、との批判が国際的に広がっている。倫理性や節度、信頼といったものが、日本のビジネスの中に今でもDNAとして生きているのであれば、私はこれが、これからの日本が世界で力を発揮するきっかけになるのではと思う。金融センターとしての東京の地位も浮かび上がってくるのではないでしょうか。

--金融規制や監督を含めて、世界の金融システムのあり方は。

こういう危機が起こったから、サルコジ大統領が言うように、世界を統一する中央銀行や監督機関を作るというのは、まだ現実的ではないでしょう。アングロサクソンの世界から規制強化の声が来ているわけで、実際大事なところもあるが、だからといって日本も規制強化を進めればいいという話ではないと思います。日本もアジアも効率性の点など遅れている面もあるので、自国のマーケットの実情を見たうえで対応を考えていくべきでしょう。まずグローバル化ありきではないと思います。

--これから日本が国際的に貢献すべきことは何でしょうか。

すでにIMFに2000億ドルの融資枠を作ったり、韓国に対して通貨スワップで資金供給したりしていますが、そういう支援は大事でしょう。アジアの国は、外資が撤退して株価や通貨が急落するなど、いま大変な苦況にある。日本がアジア通貨危機のときに提唱したアジア通貨基金を作っておけばよかったという話もある。そういう形での貢献は短期的には非常に大事でしょう。

中長期的には、環境、省エネなどの分野で、技術的、資金的な支援をしていくこと。国際的に需要は高く、特に中国は環境問題が深刻だから、期待が大きい。日本だけが高い成長を遂げるのは無理ですが、これまで蓄積した資金力や技術力で貢献できるので、フルに活用すべきです。

ぎょうてん・とよお
1931年生まれ。55年東大経卒、大蔵省入省。国際金融局長、財務官などを歴任し、89年退官。92~96年東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)会長。95年、国際通貨研究所の初代理事長に就任、現在に至る。

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