日本に「外国人お手伝い」はやってくるか? 外国人家政婦で試される安倍政権の移民政策
「驚き以外の何物でもない」
ゴールドマン・サックス証券のチーフ日本株ストラテジスト、キャシー・松井氏は「自分はアメリカ国籍で外国人だから、外国人家政婦を雇え、日本人の同僚は雇えない。これは驚き以外の何物でもない」と指摘する。
同氏は、女性の労働参加率が男性並みの80%に達すれば、日本の国内総生産(GDP)は最大14%押し上げられると試算している。
「国内には明らかに(家事代行サービスの)需要があり、供給も存在する。しかし、入管法の規制が厳しく、多くの家政婦は日本を出稼ぎ先として考えていない。まるで政府が、供給曲線と需要曲線が交わるのを妨げているようだ」とみている。
国際労働機関(ILO)のデータによると、日本で家事労働者(日本人・外国人を含む)が労働人口に占める割合は0.1%未満。米国は約0.5%、香港は7.7%だ。
一方で、冒頭の在日米国商工会議所の要望書をまとめたコスモ・ピーアールの佐藤玖美社長は「規制を緩和すれば、合法的に外国人家政婦を雇うことができる若い日本人家庭が出てくるだろう」と指摘する。一部の家庭で違法に外国人が雇われているケースもあり、規制緩和が進めば、グレーゾーンの契約が合法になるとの見方を示した。
(Lisa Twaronite記者 取材協力:Manuel P. Mogato記者 翻訳:深滝壱哉 編集:田中志保)
*本文第1段落目の「この対象を世帯年収700万円以上の米国人に拡大してほしいというのが商工会議所の要望だったが」を「世帯年収700万円以上の日本国民および永住者」に訂正します。
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