そのほか、大きく順位を上げた企業をみていくと昨年度調査で躍進した11位東亞合成、23位コスモエネルギーホールディングスが挙げられる。
東亞合成は2016年のランキングでは102位だったが、2017年は50位、2018年は36位、そして今回は11位と3年間で90以上ランクアップしている。同社では2015年から年次有給休暇の取得率100%達成を目標に掲げ、あらかじめ取得日を設定する計画的付与制度を活用するなどの取り組みを行っている。勤怠管理システムの整備など全社的な取り組みにより直近の平均取得率は95.9%に達した。
昨年、躍進した企業以外では、農業機械の37位クボタや工作機械の製造販売を手掛ける41位DMG森精機のランキング上昇が目覚ましい。
クボタは上位50社の中で最も大きく順位を上げており、昨年の78位から37位へと41ランクアップしている。同社は半日単位で年20回、時間単位で年5日分の有給休暇を取得可能な制度を導入しているほか、間接部門への「クボタ生産方式(KPS)」導入による労働時間削減などワーク・ライフ・バランスの向上に努めている。
DMG森精機は行動計画を策定し、数値目標を示して有給休暇取得率の向上を推進してきた。その結果、2015年度は77.4%だった取得率は2017年度には92.1%まで上昇している。現在も2020年までに平均有給休暇取得日数を20日にする計画を策定し取得率の向上に取り組んでいる。
順位を下げた企業もある
大きく順位を上げた企業がある一方で、順位を下げた企業もある。ホンダ系の自動車部品メーカーの25位エフテックや48位三菱ガス化学は、いずれも高い有給休暇取得率だが、上位50社の中で10ランク以上順位を落としている。エフテックは2014年度の取得率105.6%が集計対象外になった影響が大きいが、三菱ガス化学は2014年度の91.0%から2017年度の82.8%まで連続して取得率が低下している。
トップ50位中、2年連続で取得率が低下している企業は6社あり、10位トヨタ車体や31位日野自動車は2015年度から2017年度の間に5ポイント以上低下した。
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