四季報が、会社予想を先取りした銘柄290 『会社四季報』2014年新春号、ついに発売!
会社のクセを見抜け
上場会社のほとんどは、自社の今期業績見通しを期初に開示している。これらの会社予想は、販売動向や原材料価格などの前提を考えて、その時点で予測できる範囲内で、一定程度合理性があるように見える。
しかし、定点観測をしているとわかってくるのが、「会社のクセ」だ。会社によって期初には慎重な予想を開示して期中に上方修正する傾向があったり、反対に強気予想を開示して期中に下方修正するといったクセがあることだ。
たとえば、中間素材メーカーの場合、期初に大幅増益予想を出してしまうと、取引先から値引きを要請される懸念があるので控えめな予想を公表するといった事情がある。
反対に激しいシェア争いをしている最終消費財メーカーなら、「高めだな」と思いつつも、「社内の目標数字」に近いものを、対外的に公表するケースもある。
会社は、公表した予想が外れそうだと判明したときに適時開示、つまり上方修正か下方修正を発表するルールになっている。その基準は、東証など取引所によって、売上高が10%以上、営業利益・経常利益・純利益が30%以上変動する見込みになったとき発表すると定められている。このため、慎重な計画を立てる企業でも、期中に見通しの上方修正を行うことは少なくない。
毎号変わる記者の視点
『会社四季報』は年4回発売されるが、毎号活用ポイントが変わる。特に9月に発売される「秋号」は4~6月の第1四半期決算(3月決算会社)を収録。記者は第1四半期の実績を踏まえて、為替や市況などの前提条件に変化はないか、期初に立てた予想数字に狂いが生じ始めていないかなどを確認し、狂いが生じている会社は、独自に四季報予想を増額または減額して、業績記事で解説することがある。
これが、12月13日発売の「新春号」になると、4~9月の第2四半期決算を収録しており、事業年度の折り返し地点を過ぎて、そろそろ通期業績が見通せるようになる。独自の上振れ予想、下振れ予想が増えてくるわけだ。新春号は年間を通じて、もっともサプライズ銘柄が多い号ともいえそうだ。
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