インデックス投信が今後も投資に有効な理由 「指数算出企業」のマトゥーリCEOに聞く

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数字で示してみます。以下の図は2009年の3月からTOPIXをベースに運用しているESG投資のインデックスと、TOPIXのパフォーマンスを比較したものです。結果的にESG投資によってベースのインデックスより高いパフォーマンスが出ていることがわかるでしょう。

※両指数ともにトータルリターンを使用。期間は2009年3月19日から2018年12月28日まで(図:S&P Dow Jones Indices LLCのデータを基に株式会社マネネが作成)

なぜESG投資指数は通常のインデックスより好成績か

その1つの要因としては、私たちが先駆してESG投資を開始していたことが挙げられます。投資家の関心が徐々にESG投資に移ってきたことにより、私たちが先行者メリットを得た可能性があります。同じような形で、私たちが新たな投資戦略や投資手法を先駆けて開始し、その後、中長期的に世間の関心がグローバルレベルで追随してくれば、早くから私たちのインデックスに投資をし、長期で持っている投資家ほどリターンを手にしやすくなるわけです。

以前の「第1次ESGブーム」のときは、特定の業種を投資対象から除くことでESGの目的を達成する、いわゆる「ネガティブスクリーニング」という手法を取っていました。しかし、ネガティブスクリーニングを行うと、ベースとなる指数に対してのトラッキングエラー(参照しているインデックスからの乖離度合い)が大きくなるリスクがあったのです。そのため、近年はネガティブスクリーニングをやめ、各銘柄の投資比率を調整することで、トラッキングエラーを極力小さくする手法を取るようになっています。このように新しいインデックスを活用したパッシブ運用が世界中の投資家に提供されることで、各自の資産運用がさらに効率的なものになることを願っています。

森永 康平 マネネCEO/経済アナリスト

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もりなが こうへい / Kohei Morinaga

証券会社や運用会社にてアナリスト、エコノミストとしてリサーチ業務に従事した後、複数金融機関にて外国株式事業やラップ運用事業を立ち上げる。業務範囲は海外に広がり、インドネシア、台湾、マレーシアなどアジア各国にて新規事業の立ち上げや法人設立を経験し、各法人のCEOおよび取締役を歴任。現在は法律事務所の顧問や、複数のベンチャー企業のCFOも兼任している。日本証券アナリスト協会検定会員。株式会社マネネTwitter

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