インデックス投信が今後も投資に有効な理由

「指数算出企業」のマトゥーリCEOに聞く

インデックス投信は、ESG投資などのように近年社会に影響を与えるものも出てきたがさらにどう進化するのか。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのCEOアレックス・マトゥーリ氏が語る(写真:筆者提供)
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは、S&P500®やダウ・ジョーンズ工業株平均®等、世界の代表的な指数を算出する企業だ。120年以上の歴史を持つ同社が算出する指数に基づく金融商品に投資される資産額は、世界最大規模。日本国内でも日本取引所グループと共同指数を算出するなど、アメリカ市場以外の指数の開発に関しても積極的に取り組む。今回は近年進化が著しいインデックス(株価指数)開発の裏側と、今後のパッシブ運用(代表的なインデックスに沿った成績を目指す手法)の行方について、同社のアレックス・マトゥーリCEOに聞いた。

インデックス投信がアクティブ投信より優れている理由

――世界的にアクティブ型投信からインデックス型投信や指数連動のETF(上場投資信託)へと資金が移る傾向にあります。個人投資家が選好する運用スタイルも、パッシブ運用へとシフトしていますが、インデックスプロバイダー(指数提供会社)として、この潮流をどう感じていますか?

このような動きはすでにアメリカで先行していましたが、ますます世界中に広がってきていると実感しています。アメリカ以外の世界で見ても、インデックス型投信がすでに15~20%ほどのシェアを占めていると思います。

「パッシブ運用」対「アクティブ運用」という議論はアメリカでも長く続けられていますが、いちばんのポイントはパッシブ運用の透明性にあると考えています。グローバルに見ても透明性を維持することの重要性にますます注目が集まっています。アクティブ運用との比較においては、コスト面で圧倒的にパッシブ運用が優れているのは、すでに言われているとおりですが。

「なぜアクティブ運用のパフォーマンスが劣るのか」という点は、いわゆる年金基金などの機関投資家や、投資コンサルタントとの間でもよく議論になります。長期的に見ると、投資の世界においてアクティブマネージャー(アクティブ型投信のファンドマネージャー)がつねに市場を上回り続けることは難しいと、すでに数々の実証実験の中で証明されていますね。その要因の1つは、アクティブ運用をすると銘柄の積極的な入れ替えをすることや、運用に関わる調査やオペレーションのコストが発生するため、結果としてコスト増となり、運用成績を押し下げる効果が働くからだと言えます。

また前述の透明性という点では、アクティブマネージャーは、いわゆる「バリュー」(割安株)、「グロース」(成長株)といったスタイルに沿って銘柄選定をして運用しているわけですが、個人投資家にとって、その投資手法の中身はわかりにくい部分が多いといえます。インデックスに沿った運用のほうが透明性もあり、効率的であるのは言うまでもありません。

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