レクサスUXとハリアーどっちか迷う人の視点 性格は異なるSUVだが価格帯はバッティング
ハリアーとUX。両車にはどんな違いがあるのか。
ハリアーはハイブリッド車、ガソリンエンジン車、ガソリンターボエンジン車の中から選ぶことができる。こちらは、それぞれの動力に4WDがあり、エンジン車は2WDも選べる。
ハリアーは、1997年に誕生し、海外では初代からレクサスRXとして売られた。4ドアセダンのFF車カムリを基に開発され、当時は、まだ本格的4輪駆動車以外に今日のSUVを思わせる車種は2代目の米国ジープ・チェロキーや、1995年のホンダ「CR-V」くらいしかなく、その中でもより上級の快適性を備えたSUVといえば、ハリアーに勝る車種はなかった。
日本でもハリアーは人気を得たが、モデルチェンジに際してはより市場規模の大きなアメリカ主体の車格に拡大の一途をたどり、2代目までで一旦ハリアーとしての生産は終えられ、3代目に相当するクルマからは日本でもレクサスRXの名で販売されるに至った。
しかし国内では、初代~2代目までの大きさのハリアーを求める消費者の声があり、ハリアーとしての3代目が2013年に2代目と比べ車体寸法を若干小柄にすることで誕生し、今日に至る。のちに、ハリアーに近い車格のSUVとして、レクサスからNXが2014年に発売された。
根強い人気を維持するハリアー
現行のハリアー3代目は、2013年の12月に発売され、翌2014年に本格的な販売が展開されると月販7000台を超える月もあり、年間販売台数で11位という記録を残している。日本にちょうどいい大きさの上質なSUVを望む顧客がいかに多いかを示し、また国内専用車としてあえてハリアーを再登場させたトヨタの読みは、当たったといえる。
当初は、ハイブリッド車とガソリンエンジン車の選択肢だったが、2017年にガソリンターボエンジン車を追加し、車種構成の充実を図っている。また、よりスポーティな持ち味のGRも加わり、2018年の現在も月販6500台を超える月があるなど、人気の衰えの少ないSUVである。ちなみに、マツダの「CX-5」や「CX-8」より上位での販売台数の推移となっている。
顧客満足度の高いSUVであることがわかるとともに、同様の人気を持つ日産自動車「エクストレイル」とは明らかに異なる個性を備える。エクストレイルは、遊びやスポーツのギア(道具)の一部として位置づけられるSUVだ。ハリアーは、国産車では他に例の少ない上級SUVとしての地位を守っている。そうしたSUV市場を見て、ホンダは一時日本市場から撤退していたCR-Vを再び国内販売しはじめたほどだ。
レクサスUXは、コンパクトクロスオーバーと位置づけられ、SUVとは若干異なる開発がなされたといえる。クロスオーバーとSUVの区別は、外観上はつけにくいが、クロスオーバーになると一般的な乗用車とSUVの中間的な存在のクルマといえるだろう。実際、UXの開発責任者である加古慈チーフエンジニアは、「SUVのように目線が高いことによる視界のよさを維持することは意識したが、同時に、コンパクト2ボックス車のような走りの壮快さも持たせたかった」と語る。
その意図は、運転席に座っただけで伝わってくる。ハリアーはもちろん、輸入車の競合と思われるボルボ「XC40」や、BMW「X2」などと比べても、運転席に座ったときの目線がやや低い。それはどちらかというと乗用車に近い。
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