佐賀・有明海産の牡蠣が「世界一」と言える理由

レジェンド京都吉兆の徳岡会長もうなった

その「水先案内人」となったのが、太良町の隣・鹿島市出身のソムリエ、浦川哲矢さん(33)である。大分の立命館アジア太平洋大学を卒業後、星野リゾート「星のや京都」で経験を積み、現在は「ソムリン」という名前でSNSやYouTubeなどでワインの普及につとめるなど、大活躍中だ。浦川さんがテイスティングするワインの種類はなんと年間3万本にのぼるという。その浦川さんがとある宴で知り合ったのが吉兆の徳岡会長。あっという間に意気投合し、2人は今や世代を超えた「古琴之友」である。

「常日頃から、なんとか故郷・佐賀のおいしいものを全国にアピールしたいと考えていた」(浦川さん)。

そんなとき偶然にも知り合いを介して太良町でカキの養殖を営む梅津聡さんの存在を知ることとなる。試しにそのカキを取り寄せて食べてみると、その味わいはまさに「宝石のようなおいしさで、白ワインとの相性が抜群だった」(同)。浦川さんの誘いで、梅津さんは自慢のカキを携え京都の徳岡さんの元へ。これが徳岡さんと太良町産の最高のカキとの出会いとなった、というわけだ。人間、おいしいものをひとたび口にすれば、「ああ、ぜひ生産地で食べてみたい」と思うのは自然の流れだ。浦川さんは徳岡会長を連れて、京都から有明海へ。ついに「梅津さんのカキを堪能するツアー」が実現した。

いざ、太良港から沖へ

佐賀・肥前鹿島駅から、南に車を走らせること30分あまり。梅津さんの養殖場が沖にある太良港へ着いた。さっそく船に全員乗り込み、いざ沖へと向かう。

いざ沖合へ。牡蠣のファンタジスタ梅津さん(右)が徳岡会長(左)とソムリエの浦川氏さん(中)に有明海と牡蠣の関係をレクチャー(撮影:山下恒之)

有明海で最も養殖されている品種は「マガキ」だ。この日本種が「フランスを救った」ことは今なお記憶に新しい。1970年代にフランスのカキ養殖産業が、病原性の微生物により壊滅的打撃を受けたとき、日本から送られた在来品種「マガキ」が窮地を救った。これが日本のカキを世界に広めるきっかけとなったことを覚えている人も多いはずだ。

次ページ太良町産のカキはほかとどこが違うのか?
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