トヨタの中国市場巻き返しが現実になる日

欧米系や地場メーカーとの熾烈な競争必至

広州モーターショーで開かれた華やかなトヨタ・アバロン発表会。トヨタは中国市場で抜きんでることはできるのか(筆者撮影)
トヨタは2020年代初頭をメドに、中国での自動車生産能力を現状の約2倍となる200万台に引き上げる。またブルームバーグの報道によると、2030年ごろには現地生産する350万台と日本から輸入する50万台の合計400万台を中国市場に供給する方針であるとされる。生産能力を今後10年で3倍にしたとき、中国市場で欧米系メーカーに出遅れたトヨタの巻き返しは現実のものとなる。一方、フォルクスワーゲン(VW)など独系メーカーも中国での増産に向けた積極投資を表明したことに加え、中国の地場メーカーは新エネルギー車(NEV)とスマートカーの開発に注力する。これらの動きは中国自動車市場における熾烈な競争を予感させるものであり、トヨタには厳しい試練が待ち受けているといえよう。

中国事業に出遅れたトヨタ

中国の最高指導者・鄧小平氏が訪日した1978年以後、中国には日本の製造業から学ぼうとする機運が高まり、「日本ブーム」が沸き起こった。中国政府はこの時トヨタに中国進出を要請したが、当時、日米貿易摩擦の真っただ中、中国事業にはなかなか手が回らなかった。

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一方VWは1985年、上海汽車と合弁企業を設立し、外資の先陣を切って中国に進出した。17年後の2002年、トヨタは第一汽車と合弁企業を設立し、中国市場に最初の一歩を踏み出した。2004年には広州汽車と合弁企業を設立し、中国での2社合弁体制がようやく整えられた。

その後は中国のモータリゼーションの拡大に伴い、トヨタの中国販売は右肩上がりで伸びたものの、つねに欧米系メーカーの後塵を拝してきた。また近年のスポーツ用多目的車(SUV)ブームに便乗するには人気車が少なく日産やホンダなど日本勢にも後れをとる結果となった。

一方、ハイブリット車(HV)の現地生産や輸入車レクサスの好調により、2018年の販売台数は前年比約14%増の147万台(2008年の約3倍)、6年連続で前年実績を上回り過去最高を更新した。また中国合弁2社はその生産キャパシティーを116万台とするまでに成長した。

2018年5月、中国の李克強総理がトヨタの北海道苫小牧市にあるトヨタの関連備品工場を視察した。これを契機に豊田章男社長は、自社技術の先進性をアピールしながら欧米他社に出遅れた中国事業に積極姿勢を示し始めた。足元の米国市場は減速し事業環境に不透明感が漂う中、トヨタは今後も成長の期待できる中国市場を最重点地域と位置づけ、生産能力の増強に取り組む。

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