そしてそんなふうに感じる最も大きな理由として挙げられるのが、ノーマル同様12:1という極めてクイックなステアリングギア比を採用していること。だからステルヴィオはノーマルでも手首の動き程度でクルマのノーズが反応して曲がる感覚を伝えてくる。それがこのクアドリフォリオでは、締め上げられたサスペンションと相まってさらに鮮烈なものとして感じられるのである。
しかしノーマル同様に直進時には、これほどクイックなステアリングギア比を持ちながらもチョロチョロと煩わしいことがないのが良いところでもある。
また同時に50:50の前後重量配分も効果を発揮しているのだろう。優れた重量配分があるがゆえに、ある程度ボディを動かす=サスペンションをストロークさせていいコーナリングフォームが作れるからでもある。
高性能モデルでもやはりアルファ ロメオ
だからクアドリフォリオを走らせていると、コーナリングをした瞬間に「ハイパフォーマンスモデルでも、やはりアルファ ロメオ」と痛感する。
というのももともとアルファ ロメオは、ブランドそのものがスポーティーな走りを主としていて、ノーマルモデルでも気持ちよく、軽快にコーナーを駆け抜けていく。それがクアドリフォリオほどのハイパフォーマンスモデルになっても変わらない。
ライバルはハイパフォーマンス化されるほどに重厚な走りになっていくが、クアドリフォリオはさにあらず。そしてここがアルファ ロメオらしい、スポーツの表現だと感じる。
クアドリフォリオの価格は1167万円。ライバルと比べると、若干リーズナブルである。それでいてこのパフォーマンスはすばらしい。もっとも装備などで、ナビゲーションシステムは標準で採用せずにアップルCarPlayを使うことや、内装のクオリティーに関してはライバルにはいま一歩及ばないところがあるので、この点は承知しておきたいところ。
とはいえアダプティブクルーズコントロールを含めた運転支援系システムも備えているし、何よりアルファ ロメオのSUVであることが魅力であるうえに、そのトップモデルなのだから、これはもうスポーツカーを所有するような満足感も含んでいるといえる。
最強モデルだけに、さすがに毎日乗るとなるとキツいと感じるであろう、そんなモンスターマシンだが、週に一度の楽しみ的にクルマに乗る人にとっては、すぐに手に入る非日常体験を備えた1台ともいえるだろう。
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