アルファロメオ最強SUVはこんなにもスゴい 「ステルヴィオ」クアドリフォリオに乗った

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「ステルヴィオ」クアドリフォリオのサイドシルエット(筆者撮影)

そしてそんなふうに感じる最も大きな理由として挙げられるのが、ノーマル同様12:1という極めてクイックなステアリングギア比を採用していること。だからステルヴィオはノーマルでも手首の動き程度でクルマのノーズが反応して曲がる感覚を伝えてくる。それがこのクアドリフォリオでは、締め上げられたサスペンションと相まってさらに鮮烈なものとして感じられるのである。

しかしノーマル同様に直進時には、これほどクイックなステアリングギア比を持ちながらもチョロチョロと煩わしいことがないのが良いところでもある。

また同時に50:50の前後重量配分も効果を発揮しているのだろう。優れた重量配分があるがゆえに、ある程度ボディを動かす=サスペンションをストロークさせていいコーナリングフォームが作れるからでもある。

高性能モデルでもやはりアルファ ロメオ

だからクアドリフォリオを走らせていると、コーナリングをした瞬間に「ハイパフォーマンスモデルでも、やはりアルファ ロメオ」と痛感する。

というのももともとアルファ ロメオは、ブランドそのものがスポーティーな走りを主としていて、ノーマルモデルでも気持ちよく、軽快にコーナーを駆け抜けていく。それがクアドリフォリオほどのハイパフォーマンスモデルになっても変わらない。

ライバルはハイパフォーマンス化されるほどに重厚な走りになっていくが、クアドリフォリオはさにあらず。そしてここがアルファ ロメオらしい、スポーツの表現だと感じる。

クアドリフォリオの価格は1167万円。ライバルと比べると、若干リーズナブルである。それでいてこのパフォーマンスはすばらしい。もっとも装備などで、ナビゲーションシステムは標準で採用せずにアップルCarPlayを使うことや、内装のクオリティーに関してはライバルにはいま一歩及ばないところがあるので、この点は承知しておきたいところ。

とはいえアダプティブクルーズコントロールを含めた運転支援系システムも備えているし、何よりアルファ ロメオのSUVであることが魅力であるうえに、そのトップモデルなのだから、これはもうスポーツカーを所有するような満足感も含んでいるといえる。

最強モデルだけに、さすがに毎日乗るとなるとキツいと感じるであろう、そんなモンスターマシンだが、週に一度の楽しみ的にクルマに乗る人にとっては、すぐに手に入る非日常体験を備えた1台ともいえるだろう。

河口 まなぶ 自動車ジャーナリスト

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かわぐち まなぶ / Manabu Kawaguchi

1970年5月9日茨城県生まれAB型。日大芸術学部文芸学科卒業後、自動車雑誌アルバイトを経てフリーの自動車ジャーナリストに。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。2010年にWeb上の自動車部「LOVE CARS!」(部員約2200人)を設立し主宰。Facebook上に「大人の自転車部」を設立し主宰、2万人ものメンバーが参加。また同じくFacebook上に「初めてのトライアスロン部」を設立し主宰、1500人のメンバーが参加。TV、新聞、Web、各種自動車メディアに出演・寄稿を行うほか、YouTubeでは独自の動画チャンネル「LOVE CARS!TV!」(登録者数8万7000人)で動画を配信。Yahoo!ニュースに個人でも自動車に関する記事を発信している。趣味は水泳、自転車、マラソン、トライアスロンでは毎年アイアンマンレースを完走している。

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