西武後藤社長が明かす「埼玉をどうしたいか」 本社東京移転後の川越、所沢、球団の将来は?

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――TVCMを流し、観光列車を走らせ、新型特急を導入する計画など秩父の観光に積極攻勢をかけている印象を受ける反面、同じく埼玉県内のネームバリューのある観光地である川越は力を入れていない印象を受けます。

江戸時代の街並みを今も残す川越。首都圏から近い観光地として人気が高い(写真:ジャバ/PIXTA)

そんなことはありません。ワンデーフリーパスなど、川越に関する商品開発を行ったり、新宿プリンスホテルとタイアップして、宿泊されているインバウンドのお客様に特急「小江戸」号で川越に行っていただくなど成果も出ています。また、川越プリンスホテルも、最近、パフォーマンスがよく、海外のお客様も増えています。

今後はメットライフドームのボールパーク化や、飯能に北欧を題材にしたテーマパーク「メッツァ」もオープンします。将来的には西武園もバリューアップしたいと考えており、これら沿線のほかの観光地とのシナジー効果で定期外のお客様を川越にしっかりと呼び込めるようにしていきます。

――川越はどうしても東武東上線が強いイメージです。ライバルである東武鉄道と手を結ぶ戦略はいかがでしょう?

基本的なスタンスとしては「競争と協調」です。手を組んでお互いにウィンウィンになるならやる。過去には、「ライオンズトレイン」を東上線で走らせていただいたこともあります。また、本川越駅(西武新宿線)の西口を新設したことによって、これまで遠回りで不便だった東上線の川越市駅との乗り換えの利便性が格段によくなり、東上線とウィンウィンの関係になりました。

西武グループをどう舵取りする?

――少子高齢化などにより、鉄道事業の将来は厳しいと言われています。

選ばれる鉄道会社・鉄道沿線になるために努力するのはもちろんのこと、西武鉄道沿線に住むことに大きなメリットがあることをお伝えしたい。各地で災害が増える中、強固な地盤である武蔵野台地の上を走る西武鉄道沿線は地震などの自然災害に強く、液状化なども起きにくいのです。

地盤ネットホールディングスという会社が、首都圏の駅ごとに調査した「地盤安心スコア」によれば、池袋線沿線は「危険」を示す駅が1つもなく、新宿線沿線もスコアが良かったことから、11月28日に開催された「いい地盤の日アワード」では西武鉄道が大賞を受賞しました。終(つい)の棲家となる住居をどこに構えるかを判断いただくにあたり、大きな要素になるはずです。

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