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「父の家庭内暴力」を漫画にした39歳女の半生 27歳でいったん筆を折りながらも返り咲いた

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  • 村田 らむ ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター
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「私以上に親の顔色をうかがって生きてましたね。やられすぎて二重人格みたいになっていました。ウソついていい子にしていたらやられないというのが身に染み付いていて、虚言癖がひどかったです。実際にはいい子にしてたって殴られたんですけどね」

兄は仕事も続かないし、家賃を滞納して夜逃げすることもあった。現在は生活保護を受けて暮らしているという。

「もう10年以上会っていません。ただ、相変わらず隣家の音には敏感で、家の前にゴミを置くなど嫌がらせをしているみたいです。なぜか管理人さんには私の電話番号を知らせてあって、近隣とトラブルがあるたびに電話がかかってきます。なんでわざわざ私の電話番号教えるんだよ?って憤りましたけど、ひょっとしたら私に気づいてほしいと思ってるのかもしれませんね。

あとごくたまに無言電話があるんですが、直感で『兄貴かな?』と思います」

中学時代の成績は芳しくなく、それなりの高校へ入学した。高校に入った後は、漫画を描くのをやめてしまった。

「高校を卒業したら漫画家になるって決めていたので、高校の間はとにかく遊ぼうと思っていました」

改造した原動機付自転車を乗り回したり、未成年なのに飲酒をしたりした。ただし、集団行動は苦手なので、暴走族に入るなど人とつるむことはなかった。同級生の間ではオールナイトで遊ぶのがはやっていたが、朝帰りすると父親が怒り狂うので夜には帰っていた。

いつのまにか自分のほうが強くなっていた

やんちゃがたたって停学をくらい、自宅謹慎になった。部屋の電話で友人と話していると、父親が

「停学中になに電話しているんだ!!」

と怒鳴り込んできた。

思わずカッとした浅田さんは、父親をドンッとたたいた。すると父親は吹っ飛んでしまった。

「え? 吹っ飛んじゃった……? という感じでした。吹っ飛ばされても、父親は怒らなかったですね。

いつのまにか自分のほうが強くなっていたのが、なぜかショックでした」

父親の家庭内暴力は中学3年生くらいを境に治まり、高校時代は殴られずに過ごした。

『週刊少年ジャンプ』に、いわばずっと恋してました(筆者撮影)

高校を卒業して18歳になって、『週刊少年ジャンプ』に投稿を始めた。生活費はラーメン屋でアルバイトして稼いだ。

「賞の概要にページ数無制限って書いてあったので、257ページも描いて送りました。賞には当選しませんでした。でも、実力不足とは思わなくて

『たぶん編集さんがたまたま見過ごしたんだろう』

と思ったんですよ。失敗しても落ち込まない性格なんですよね(笑)」

初投稿は見逃されてしまったけれど、毎月出せばさすがに見てもらえるだろうと思った。それで毎月31ページの漫画を描き、投稿した。

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【「君はなんで毎回毎回送ってくるの?」】

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