中国人がSNSで赤裸々に相談する悩みの中身 グループチャットの恥は掻き捨て?

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・子どもの運動靴を洗うなら、どこの洗剤がいいですか?
・入国管理局は立川と新宿ではどちらの出張所がすいていますか?
・子どもの英語塾はどこがおススメかしら? 日本人みたいな英語にさせたくないので、ネイティブの先生がいるところを紹介して。
・離婚を考えています。中国人の弁護士に相談したいので、紹介してください。
・日本人の結婚式にはどんな服装で行くのがベストですか?
・小学校の授業参観には何を着ていけばいいですか?
・夫が経営している会社で秘書を募集中。日本語と英語ができる人を求めています。
・日本の特急列車にはトイレはついていますか?
・中華学校に子どもを通わせている人がいたら、評判を教えてください。

このように、まるでyahoo!知恵袋の中国人バージョンみたいに、日々の生活に関する細かい質問のオンパレードなのだ。しかし、彼女が最も仰天したのは、次のような書き込みだった。

・夫との“夫婦生活”に悩んでいます。普通、中国人(私)と日本人(夫)のカップルだったら、こういうときはどうなんでしょう?

さらに、こんなことまで書く人もいたという。

・夫(中国人)は日本人の若い部下と浮気しているようです。会社の社長は中国人なので、社長宛に手紙を書いて訴えようと思うけど、どう思う?

なんとも赤裸々なことがチャット上で繰り広げられていることに、王さんは非常に戸惑ったそうだ。

むろん、王さんだって中国にいるときから、同僚や親戚、大学時代の仲間と、数々のグループに入っている。その数は20以上。親友4人だけの小さなグループもあれば、大学の同窓生300人のグループ、同僚とのグループもあり、そこで書かれる内容はいろいろだ。だが、上に書いたような内容は、中国国内にいるときにはあまり見かけないものが多かったという。そこで、王さんはこう思ったそうだ。

「こういうことって、つまり“ゆるいつながり”だからこそ書き込めることなんだな、と思うようになりました。ママ友の会130人のうち、私が会ったことがあるのは20人くらい。そのほかは顔も知らないママばかり。だから、恥ずかしげもなく、かえって遠慮なく、しかも“中国人同士”という気安さで書き込めるのかもしれないなと」

「日本語には『旅の恥はかき捨て』という言葉がありますが、私は『グループチャットの恥はかき捨て』だと思いました。私はそこまでSNSに頼りたくないので、ただ黙って眺めているんですけどね……」

そのうえ、驚いたのはチャットの量の多さだった。

「普段はチャットの着信音を消しているのですが、数時間おきに見ると、新規投稿が500件、1000件!!なんてこともあり、ギョッとします。とてもじゃないけど、見きれない(笑)。私のように全然見ていない人はかなり多いんでしょうけど、何をそんなに書き込んでいるのか? 仕事はしているのか?と不思議に思いました」

中国人同士「つながっている感」が得られる

「そのやり取りをたまにじっくり見ていくと、やはり日本に住む中国人がこれだけ増えても、ここはやはり“外国”なんだと感じました。日本語も完璧にはできないし、生活するうえで、日本人には聞きにくいこともある。母国語でないとうまくニュアンスが伝わらないこともありますから」

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