安倍政権を年明けも悩ます片山・桜田エラー 参院選へ向けた「時限爆弾」にも
さらに、各週刊誌などが続報として相次いで取り上げた片山氏の政治資金収支報告書の記載漏れ問題も、片山氏は厚顔無恥ともみえる「謝罪する」「訂正した」の繰り返し答弁でしのぎ、野党側が「自前の追及材料を発掘できなかった」(自民国対)こともあって、決定的事態には至らないまま時間ばかりが経過した。
当初は与党内にも、「放置していると事態はより深刻化しかねない。早く(辞任で)決着をつけるべきだ」(自民国対)との声があったが、片山氏が直接担当する法案もなかったため、「国会混乱の責任」というお定まりの更迭理由もつけにくく、首相も任命権者だけに、「与えられた職務をしっかり果たしてもらいたい」と擁護せざるを得なかった。
国辱との批判にも「有名になった」と桜田氏
一方、国会審議が始まってから、片山氏以上のお騒がせ閣僚となったのが桜田氏だ。参院審議で立憲民主の蓮舫副代表から五輪の基本理念などを聞かれても「頓珍漢な答弁」(蓮舫氏)を繰り返し、しかも、質問者の名前を「レンポ―さん」などと間違って失笑を買い、与党内からも「人の名前を正確に呼ぶのは人間の基本だ。注意してほしい」(斎藤鉄夫公明幹事長)など苦言が相次いだ。
桜田氏が五輪担当との兼務で所管することになった改正サイバーセキュリティ基本法の審議でも、桜田氏は「普段からパソコンは使用しない」「(USBメモリーは)穴を(に)入れるらしいが細かいことは分からない」などと平然として答弁し、世界各国のメデイアが「ありえない」「システムエラー」などと面白おかしく書き立て、野党側も「国辱だ」といきり立った。
しかし、桜田氏は「そんなに私の名前が世界に知られたのか。いいか悪いかは別として、有名になったんじゃないか」とどこ吹く風で、担当閣僚としての資質を問われても「いろんな能力を総結集して、ジャッジするのが私の仕事。判断力は、私は抜群だと思っている」などと開き直った。
さらに桜田氏は、今月改定の「防衛大綱」に絡む質疑でも、自らの所管と絡むサイバー空間での防衛力強化について「防衛に関することは国防省だ」と省名まで間違えて答弁して野党から「閣僚どころか政治家としての見識や資質に欠ける」(国民民主幹部)と攻め立てられ、民放テレビのワイドショーでも「失言・放言閣僚」として大きく取り上げられる状況が続いた。
ただ、「資質に欠けるかどうかは客観的な指標がない」(自民幹部)ことに加え、桜田氏所管のサイバー基本法も会期末前にすんなり成立したため、野党の追及も"尻切れトンボ”に終わった。
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