ライザップを追い込んだ、CD「新星堂」の不振

経営不振が経営不振を呼び込む負の連鎖構造

一部誤解を生んでいるが、ワンダーは棚卸し評価損の計上基準を今回変更したわけではない。1年間売れなければ50%、2年間売れなければ1%に切り下げる基準で、毎月評価を見直している。

構造改革費用の資金使途にも一部誤解がある。GOOの店舗は、500坪以上の大型店の中に、音楽・映像ソフト、ゲーム、書籍、文具などの売り場を設ける複合店。TSUTAYAやREXを入れている店もある。

構造改革費用の中身は

市場が縮小する音楽・映像ソフトの売り場は圧縮し、空いたスペースにスターバックスなどのカフェやファミリーマートといったコンビニ、ベーカリーショップ、スポーツジムや英会話教室など、集客力があるテナントを誘致する施策を進めている。

「ワンダーGOO」は関東中心に大型店舗を構えている(編集部撮影)

既存の売り場を縮小すれば、そこで使用していた什器備品は除却、商品は廃棄の対象になる。音楽・映像ソフトは再販売価格維持制度に守られているので返品は可能だが、全商品が無条件で返品できるわけではない。

返品可能な量は年間の仕入れ額にスライドするので、近年のように仕入れを絞り込んでいると、返品できずに廃棄対象になる商品も少なからず出てくる。

簿価は切り下げていても、廃棄にはコストがかかるため、将来、既存の売り場を縮小する際に発生するであろう除却損、商品廃棄損を試算し、積み上げた額が39億円。この中には、さらに加速化する新星堂の不採算店のスクラップで発生する除却損、商品廃棄損も含まれている。

従って、「テナントの入れ替えが発生する都度、そこにかかるコストが引当金から取り崩されるので、テナントへの転換に伴う損失は基本的に発生しない」(ワンダーコーポレーション)。見方を変えれば、テナントの転換が発生しない限り、今回計上した引当金の取り崩しも発生しない。

つまり、在庫評価損を計上するわけではないので、今期の在庫商品が来期以降売れても売上総利益率を劇的に引き上げるということもない。

ワンダーコーポレーションを悩ませる新星堂だが、今や同社ごと飲み込んだRIZAPグループをも悩ませる。新星堂をRIZAPは再生させることができるのか。茨の道が続くことは間違いない。

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