日産が20年越しで開発した新エンジンの衝撃

圧縮比を可変させる夢の技術が遂に完成した

低回転でのトルクの細さは、CVTがうまく仕事をしてカバーしてくれる(筆者撮影)

実際に走り出してみると、フィーリングとしてはごくごく普通のエンジンといった印象だ。可変圧縮だからといって、何か特別な感覚があるわけではない。

もっともこのQX50が、車両重量にして1.9トンに達するヘビー級のSUVであることを考えると、2.0Lのターボ・エンジンでよくぞこれだけ走るものだとすら思う。

とはいえ、さすがに発進時など低回転域でのトルクがいわゆる2.0Lのターボよりわずかに薄く感じるのは、低圧縮にしてターボを効かせると燃費が……というような制御が働くからだろうか。そう考えると車速やアクセルの開度などから頻繁に状況を切り替えられるがゆえの悩ましさが制御にも出ているように感じられる。もっともそうした低回転でのトルクの細さは、CVTがうまく仕事をしてカバーしてくれているので、感度が高くなければ気づかない場合も多いが。

エンジンの回転感がとても滑らか

アクセルを踏み込んでいくと、回転が高まると同時に2.0Lターボらしい力強さが生まれ、1.9トンのSUVが軽快に感じるだけの加速がもたらされる。この時に特徴的なのは、エンジンの回転感がとても滑らかなことで、これは可変圧縮機構によってピストンがスムーズに動くがゆえの効果だろう。ただしこの時のエンジン・サウンドはとても独特なもので、「ビーン」という高周波な響きを伴ったものとなる。

(図:NISSAN MOTOR CORPORATION)
アクセルを踏み込むその量で反応が違う(筆者撮影)

自動車専用道などで巡航するようなシーンでは、高圧縮のエンジンのキャラクターが顔を出し燃費を削減するのに貢献する。そのようなシーンでアクセルを踏み込む際には、その量で反応が違う。深く踏み込めば低圧縮のパワフルなターボが顔を出し力強く加速し、浅く踏み込めば高圧縮の低燃費エンジンが顔を出し穏やかに加速する。そしてこうした状況に応じた制御が頻繁になされているさまが、メーター内のインジケーターに表示される。

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