日産が20年越しで開発した新エンジンの衝撃 圧縮比を可変させる夢の技術が遂に完成した

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高効率な圧縮比14のときと、性能優先の圧縮比8のとき(図:NISSAN MOTOR CORPORATION)
シリンダーの容積が変わる仕組み(図:NISSAN MOTOR CORPORATION)

そしてシリンダーの容積が変わるということは、圧縮比が変わるわけだ。「KR20DDET」の型名でQX50に積まれている可変圧縮比ターボ・エンジンは、実際に圧縮比は8から14までの間で変化する。そして排気量も変化するわけで、実際に1970cc(圧縮比14の時)から1997cc(圧縮比8の時)の間で増減する。

つまり圧縮比が14の1970ccエンジンから、圧縮比が8の1997ccエンジンまでの性能が1つのエンジンで賄われる。しかもこのエンジンは過給器を積んだターボ・エンジンでもあるから状況に応じてターボの力を借りているため、イメージとしては1970ccの高圧縮なNAエンジンから、1997ccの低圧縮ターボ・エンジンまでが1台のクルマの中にある感じといえるだろう。

ちなみに圧縮比14のNAエンジンは、プリウスなどに搭載されるような高効率エンジンと考えればよく、圧縮比8のターボ・エンジンは280ps程度を発する2.0Lターボと考えればいいだろう。

そんなふうに、まるで違うキャラクターが1台のエンジンの中にあって、これをアクセル開度などの状況の変化によって使い分けているのが今回の可変圧縮ターボだ。

実際にそのスペックは、最高出力272馬力、最大トルク390Nmで、典型的な2.0Lターボのパフォーマンス志向のエンジンと同じような数値となっている。

いったいどんな走りを見せるのか

では、この可変圧縮比ターボ・エンジンを搭載したQX50はいったいどんな走りを見せるのだろうか?

今回試乗したQX50はインフィニティブランドだが、先代モデルはスカイライン・クロスオーバーの名前で日本でも発売されていた経緯を持つ。つまりミドルサイズのSUVだ。

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