新宿駅南口の雑踏で見つけた「運命のお相手」 37歳うどん店経営者には「オーラ」が見えた

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ここで素朴な疑問が湧く。うどん居酒屋を開くつもりならば、なぜ和食の修業をしなかったのか。

「専門学校時代にうどん屋でアルバイトをしていて、その店とは今でも付き合いがあります。国内でお店を長くやるならば和食がいいだろう、2店舗目も開きやすい業態だ、とずっと思っていました。フランスに行ったのは、長くフランス料理店で働いていたので『本場のものを知りたい』という意地があったからです」

いまいち答えになっていないが、若いうちは興味と憧れを最優先にして行動していたということだろう。フランス料理の経験は見えないところで現在のうどん居酒屋経営にも生かされているのかもしれない。

恋愛関係はどうだったのか。23歳の時には「将来は必ず独立する」と決めていて、同じ職場の年下女性たちと付き合うことはあったが真剣なものではなかったと孝男さんは告白する。彼の気持ちは女性よりも仕事や海外に向いていたのだ。

29歳の時に独立開業した孝男さん。都会のオフィス街ではうどん居酒屋の需要は大きいという予測は当たり、常連客も増えた。がむしゃらに働いていたら、5年後には経営が軌道に乗るようになった。

「気づいたら30代半ば。急に結婚したくなりました」

つねに直感に従って行動している孝男さん。すぐに2つの婚活サイトに登録。3カ月で3000円ほどの有料サイトだ。1年間で5人ほどの女性と会った。そのうちの1人が現在の妻である看護師の彩香さん(仮名、32歳)だ。孝男さんはどんな条件で女性を探したのだろうか。

「30歳ぐらいがいいかな、と思ったぐらいです。あとはフィーリングですね」

婚活サイトのプロフィール欄に載せる写真や文章を見ると玉石混淆だとわかる。社会人としての常識や誠実さがにじみ出ているような丁寧なプロフィールもあれば、その逆もある。「フィーリング」重視でざっと眺めるだけでも玉を取って石を捨てることは可能なのだ。

独身の読者が婚活サイトやアプリを利用する機会があったら、明るくさわやかなボトムアップの写真を選び、前向きで丁寧な文章でプロフィール欄を作ってほしい。友人などに客観的なチェックをしてもらい、必要な修正をするといい。誤字脱字が減るだけでも印象が上がる。ここまでやっている人は意外と少ないので、競争優位に立てること確実だ。

彼女のことがすぐにわかった

孝男さんの話に戻る。2年前の冬、新宿駅の南口で彩香さんに初めて会った時の感覚をはっきり覚えているらしい。

「待ち合わせのために、どんな服装なのかはお互いに伝えてありました。でも、服装を確認するまでもなく、彼女のことがすぐにわかったんです。体の周りに白っぽいオーラのようなものが見えて、『ああ、この人なんだな』と思いました。明らかにほかの人と違う。不思議な感覚でした」

次ページ会ってすぐに「次も会いたい」と感じた
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