日本とアメリカ「貿易戦争」にならない理由

1980年代の繰り返しはあり得ない

トランプ大統領と安倍首相の関係はどうなるか(写真:Carlos Barria/Reuters)

11月6日に行われたアメリカの中間選挙の結果に対して、日本ではさまざま反応があった。ドナルド・トランプ大統領があまりに一方的、保護主義的で予測しがたいという懸念を持っていた多くの日本人は、共和党に代わって民主党が下院議席数の過半数を占めるようになったことに (435議席中少なくとも233議席となり38議席以上の増加)安堵した。この逆転のおかげで、「正常な」民主主義が備えるべき抑制と均衡が可能になると思ったからだ。

一方、「強いアメリカ」を切望する日本の人々は、アメリカ議会の「ねじれ現象」によってアメリカの外交政策が軟化し、特に日本と対立関係にある中国と北朝鮮の近隣2カ国への対応において妥協的となることを危惧している。

これまでの2年とこれからの2年は違う

また、日本の中には、民主党が優勢となった下院が召喚権限を用いて大統領とその側近に対しての追及を強めることへの対策として、大統領が大きな裁量権を行使できる外交政策と貿易政策に一層注力するのではないか、と不安を感じている人もいる。そうすることによって、アメリカ国内で抱えている問題から有権者の注意を逸らし、2020年の再選に向けて点数稼ぎができるという見方からだ。

こうした懸念を抱く人たちは、1980年代を再現するかのように、日本がアメリカの憤激の標的となり、日米間の貿易摩擦が激化し、日本側が譲歩を余儀なくされるのではないか、と恐れている。だが、以下の3つの理由から、こうした懸念は現実的ではないと考えている。

第一に、下院で27もの委員長職が共和党から民主党に移ったことにより、トランプ大統領は、これまでの2年間よりもずっと敵対的で不利な状況に2019年から2020年にかけて置かれることになる。

晩年のジョン・マケイン上院議員による批判といった例外はあったものの、任期最初の2年間、共和党優位の議会は、トランプ大統領の特異性に黙従し、彼の気まぐれを受容することにしたため、大統領は思うがままの決定を下すことができた。

下院は、今後、ロシア疑惑や利害相反、司法妨害、税金、不正な金融取引などに関連した数々の捜査をほぼ確実に開始する。ホワイトハウスにおけるイヴァンカ・トランプ氏が公用で個人メールシステムを使用したことについての捜査開始すらうわさされている。

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