ビットコイン「決済利用が激減」の深刻背景 遠い「代替通貨」の夢

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縮小

ビットコインは昨年12月に2万ドル近くに達した後、これまでに75%下落して20日時点では4500ドルとなった。足元で30%も急落するなどまだ値動きは荒いこともあるが、10月は米国株よりも小幅な動きにとどまるなど、今年は比較的落ち着いている。

ビットコインの決済利用に関し、まとまったデータは存在しない。しかし個々の決済処理機関のデータを見ると、減少傾向が読み取れる。ブロックチェーン調査サイト、OXTによると、例えばバンクーバーのコインペイメンツでは、1月から10月にかけて処理高が半分以下に減った。

コインペイメンツはコメント要請に応じていない。

ライトニングネットワーク

「拡張性」の問題に対処するため、一部で技術開発が始まっている。

「ライトニングネットワーク」は、決済を迅速化、低コスト化するために設計されたもので、ブロックチェーン技術に付加することが可能なコード。まだ開発途上だが、処理能力と利用が拡大し始めている。

データ集計会社1MLによると、同ネットワークに接続する端末は8月以来25%以上増えた。

ユーザーによると、ライトニングネットワークを使えば、ブロックチェーン上のように時間のかかる処理を経なくても2者間の送金が可能なので、人気がある。

フィンテックのスタートアップ企業リボルトのエド・クーパー氏は「ライトニングはビットコインの拡張性問題を一部解決してくれる。決済をビットコインの世界に送り込んでくれる」と話した。

(Tom Wilson記者)

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