日本のプラスチックごみが溢れ返り始めた訳 中国の禁輸措置で資源循環の前提が崩れた
国内に滞留しはじめた廃プラスチックの量は、どのくらいか。
非鉄金属リサイクル全国連合会のリサイクル環境推進部会長を務める東港金属の福田隆社長は、50万~130万トン+45万トン+16万トン=111万~191万トンと推計する。
50万トンというのは、現在の輸出量から推計される国内にとどまっている分の年間の数字。130万トンは、もし各国の輸入規制が強まり、輸出分がゼロに近づくと仮定した時の数字だ。45万トンは、さまざまな金属スクラップに雑多なものが混じり、主に中国に輸出されてきた「雑品」と呼ばれるスクラップに含まれる廃プラの量について、みずからの事業経験や研究者の論文からはじき出した。16万トンは、電線に含まれる量だ。
「産業廃棄物として処理される廃プラスチックは年約600万トン台。これにその3分の1に当たる約200万トンが上積みされれば、影響は大きい」と福田社長は話す。
国内滞留はなぜ深刻か
廃プラスチック(産業廃棄物)の処理の流れは、下の図のようになる。ゴミを破砕、分別、梱包する「中間処理会社」を経て、管理型の処分場で埋め立てられたり、セメント工場や製錬会社で燃料として燃やされたりするのだが、最終的な行き先は重複している。
これまで輸出していた分が国内にとどまると、何が起きるか。
福田社長の会社では、2016年末には、月50~100トンの廃プラスチックをセメント会社に出していたが、今はほとんどゼロ。固形燃料製造会社に対しても、原料として月100トン程度送っていたが、これも50トン程度にまで減っているという。
プラスチック製品製造工程から「生産・加工ロス」として出る端材は「きれいなプラスチック」として好まれる。その分、それまで受け入れられてきた廃プラは、「いらない」と言われてしまうのだ。
同じことは、金属専門の大手中間処理会社でも起きている。高度なシュレッダー設備を持ち、自動車関係のほかに、建物の内装材、店舗の業務用ショーケース、大手スーパーの冷凍機、自動販売機などを破砕処理し、純粋な鉄などを回収している関東地方の会社では、これまでは日量500トンの「シュレッダー鉄」を生産していた。現在は、320~350トンに生産量が落ちている。最後に残るシュレッダーダストの持って行き先が少なくなり、シュレッダー設備の稼働を抑えているからだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら