底なしのメニュー偽装、問題の本質は何か 一連の表示偽装から浮き彫りとなった3パターン

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厳しい競争環境

メニュー表示を偽装した背景には、ホテルやレストランのモラルの問題に加え、厳しい競争環境がある。

デフレに慣れた消費者に受け入れられる価格で料理を提供するため、いかに食材コストを抑えるかが現場には大きなプレッシャーとなった。特に「ビュッフェ形式だと、高級食材を売りにしないと客が集まらない。その結果、メニュー表記が派手になり、食材との“ミスマッチ”が起きやすくなった」(外食関係者)。

当然ながら、コストダウンのプレッシャーは食材を供給する側にも及ぶ。たとえば、段ボールには産地などの正確な記載がされていても、食材が卸業者からレストランなどに届けられる際には、小分けにされている。そのため、「卸業者が産地などを偽っても、われわれにはわからない」(居酒屋幹部)。

では、表示偽装をなくすことはできるのか。今回明らかになったメニュー表示偽装には三つのパターンがある。

一つは加工方法だ。冷凍ジュースをフレッシュジュース、機械でこねたミンチを「手ごね」と呼ぶ事例が相次いだ。鮮魚のお造りが実は冷凍品というケースもあった。業界内には「メニューには、ある程度の美辞麗句を入れないと魅力がなくなる」(ホテル関係者)との声もあり、罪悪感の薄いケースが目立つ。

二つ目は食材の偽装だ。ブラックタイガーを車エビ、バナメイエビを芝エビと偽装する事例は、多くのホテルで起きている。牛脂を注入した加工肉をブランド牛肉と表示する例も散見された。

ブラックタイガーやバナメイエビなどが粗悪な食材というわけでは決してなく、「フランチャイズ契約のホテルから『ちゃんとした食材を使っている。それなのに返金しないといけないのか』という声もあった」(別のホテル関係者)。だが、違う食材を使うことによって、顧客を欺いていることに変わりはない。

加工方法や食材の表示偽装については、ホテルやレストランなど料理を提供する側がきちんと対策を取れば、改善できる問題といえる。

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