外国人が心底「ドン・キホーテ」を愛する事情 物珍しいだけでなくあらゆる努力の結果だ
地道な努力で実現したインバウンドの成功
観光地に近いドン・キホーテに入れば、店内放送の「バラエティの豊かさ」に驚きます。日本語、英語はもちろん、中国語、韓国語、そしてタイ語まで流れています。
さて、外国人訪問客が手に取る商品は一体何でしょうか?
観察していると、観光地名の大きく入ったお菓子や、あるいは蒟蒻ゼリーだとか、または日本のキャラクターグッズだとかを物色している光景が見えます。しかし、さらに観察していると、日本人が購入している商品を、外国人も購入しています。
おそらくSNSなどの宣伝効果があるからでしょう。お土産の場合、自分のためではないとはいえ、彼ら・彼女らは、「日本」を消費しているようです。
以前、ドン・キホーテの担当者に「観光客相手にも販売しているドン・キホーテが、なぜ外国語表記のPB商品を作らないのですか? 仕入れないのですか?」と質問したことがあります。答えは、「むしろ外国語表記のものは売れません」でした。あくまでも日本の商品がほしくてやってきているのに、母国語が書かれていたら興ざめだ、というわけですね。
数年前から、小売店はインバウンド(訪日外国人旅行)頼みの状況が続いています。
日本にやってくる外国人旅行者は、きっと日本の文化のひとつとして、ドン・キホーテを”消費”しているはずです。
このインバウンド、国別ではどこが多いでしょうか。ドン・キホーテの客数でいえば、韓国、中国、台湾がトップ3です。面白いのは、売上高で見ると中国、韓国、台湾、とトップが入れ替わっています。
日本といえば製造業=ものづくり、のイメージがあり、自動車や電化製品を思い浮かべます。ただ、ドン・キホーテで売れているものは、圧倒的に日用雑貨です。次に、時計・ファッションと続きます。このなかには、むしろ、中国で生産されているものもあるくらいで、興味深い現象です。
ドン・キホーテの店舗で、免税品の売上構成率が第1位の(つまり外国人観光客の購入が最も多い)大阪の道頓堀御堂筋店を見てみると、比較的、ドン・キホーテのなかでは王道のつくりです。
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