25歳になったら賃貸に住むのをやめるべきだ やっぱり持ち家が将来を安泰にする14の理由

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昨今、大企業を含む多くの会社で退職金が出にくくなり、ほとんどの企業で定年は60歳で、再雇用されても65歳までで年収は半減する。年金は65歳になったらもらえる(「68歳から受給」に改悪される可能性も)が、これからの世代は受給額が支払った総額を下回るので、大した金額にはならない。家賃が10万円なら、その時点で早くも預金の取り崩しが始まる。しかし、持ち家なら、管理費などでかかる費用が3万円程度なら、難なく支払うことができるはずだ。だから、住宅ローンは定年までに返済しなければならない。

定年までに35年の住宅ローンを返済するなら25歳、65歳までに返済するにしても30歳で住宅ローンを組まなければならない。しかし、若くしてローンを背負っても返済してしまえば、その後は少額の負担で済むのが持ち家のいいところだ。男性の平均寿命は82歳、女性の平均寿命は88歳なので、65歳の実質定年以降の人生は17~23年もの長期に及ぶのだ。とても家賃は支払えないだろう。

「生涯独身率20%超」時代、親世代とは事情が違う

今は金利が低いので、年収の7~11倍を借りることができる。たとえば大卒の月収33万円、年収400万円なら、2800万~4400万円である。住宅ローンは就職して3カ月で、審査対象者になる。就職したら、早々に住宅ローンを借りられることは覚えておいたほうがいい。筆者の知り合いの息子さんは22歳で大手IT企業に就職し、3カ月でひとまず自宅マンションを買っている。

これまでは結婚して子どもが生まれ、第一子が小学校に入学する直前に持ち家を購入するケースが最も多かった。現在、平均初婚年齢は男性が31歳、女性が29.4歳、再婚を含めると、男性が33歳、女性が31歳と、30歳を超えている(2015年調査)。これに加えて、都市部の婚期は全国平均よりも1歳以上遅い。また、厚生労働省は2035年の生涯未婚率を男性が29.0%、女性が19.2%と予測している。都市部はこの数字よりもさらに高くなる。4人に1人が結婚しない時代になるのだ。

現在85歳の方の生涯未婚率は、男女単純平均3.6%でほぼ全員が結婚するのが当たり前の時代だった。これが現在65歳の方の生涯未婚率になると、やや悪化して9.2%になる。現在30代の親以前の世代とは、今は結婚の前提がまったく違うのだ。

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