来年の運用に、なぜアクティブ投資が不可欠か 長期固定運用もひとつの手
[ロンドン 22日 ロイター] -中央銀行各行による大胆な金融政策のおかげで、2013年初めに主要先進国の株式指数に投資した投資家には20%以上のリターンがあった。しかし、2014年以降、こうした高い投資収益を維持するには、取引量の拡大やリスクの高い投資に手を広げるなどかなりの努力が必要になりそうだ。
来年の投資戦略についてロイターが各機関の専門家に聞いたところ、市場環境はそれほど容易ではないとの厳しい見方が目立った。多くの機関投資家が高齢化社会のニーズを満たすために必要な安定した長期リターンを生み出すことに苦慮しているためで、この問題は来年だけにとどまらない、との声もある。
ヘッジファンド、チェーン・キャピタルのChris Goekjian最高投資責任者(CIO)は「2014年は明らかに傑出した取引はないだろう。価値を得るためには巧妙な戦略が必要になる」と指摘した。
中国など新興国市場では業績のさえない大手国有企業が株価指数の大部分を占めており、主要株価指数に連動したパッシブ投資からシフトすることが不可欠となる。
カルミナック・ジャスティオンの投資委員会メンバーのDidier Saint-Georges氏によると、消費者関連セクターがアウトパフォームする可能性があるほか、上場する見通しのハイテク企業も有望という。
同氏は「2014年はアクティブ運用の年だ。株価指数に投資するだけでは良好なパフォーマンスは得られないだろう。これらの企業を選別するのはかなり骨の折れる作業だ」と指摘した。
一部の投資家は取引の頻度を増やし、小さな利益を多く上げることでリターンを得ようとするかもしれない。
だが、高い利益を得るため、非流動的なリスク資産に投資する向きもある。
チェーン・キャピタルは65億ドル規模のポートフォリオのうち10億ドル程度をプライベート・クレジット市場に振り向け、年金基金や政府系ファンドなどの顧客向けに企業や不動産事業に5─6年にわたって直接融資している。
同ファンドのイベントドリブン戦略は2桁のリターンを生んでいる。
アマンディも、米ヘッジファンドのポールソンのイベントドリブン戦略に投資しており、手数料を差し引いた年初来のリターンは20%となっている。