ドル円、101円後半で半年ぶり高値 週末にかけ、急激な変動に注意
[東京 25日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前週末のニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル高/円安の101円後半。株高トレンドの継続で上昇に弾みが付き、101.91円付近まで上昇して約半年ぶりの高値をつけた。月末に決算を控えたファンド勢が執拗に円売りを繰り返し、ドル/円、クロス円ともに底上げされた。
五・十日に当たるこの日は序盤に輸出勢の売りが観察されたが、中値では実需の買いが流入した。日経平均株価<.N225>が一段高になるとドル/円は上値追いとなり、7月8日の高値101.54円を上抜けるとストップロスを巻き込んで上昇した。午後の取引では、欧州勢の参加を受けて一段高となり、一時101.91円付近と、5月29日以来の半年ぶり高値に到達した。ただ、102円手前ではオプション関連のドル売り需要があるとみられ、102円乗せの場面では、売買の攻防戦が激化するとみられている。大手信託銀行の関係者は「仲値にかけて当行もドルが不足したが、他のメガバンクもだいぶ不足だったようだ」と話し、国内の実需筋のドル買いがドル/円押し上げに一役買ったとの見方を示した。
<ファンドの駆け込み的円売り>
眼下で繰り広げられるの株高/円安について、FXプライム取締役、上田真理人氏は「今週は11月最終週で、ヘッジファンドの決算があるため、彼らがこれまで保有してきた日本株ロング/円ショートのポジションを腐らせないためにも、最後の勝負に出ている可能性がある」と指摘する。
こうした短期筋が株ロング/円ショートのポジションをいつまで保有するのかについて、上田氏は、週末にかけて調整売りでボラティリティが高まる余地があるとみている。
米国市場は感謝祭のため今週木曜日が休場で、金曜日は株・債券共に短縮取引となる。ここからクリスマスに向けた休暇シーズンがスタートし、市場参加者の間でもリスクポジションを圧縮する動きとなりやすい。「昨年末は、アベノミクス相場の序盤だったため、ドル高/円安トレンドが大きな調整も無いままに続いたが、今年はそうした明確なテーマがないため、調整が起こりやすいかもしれない」とFPG証券、第業取締役の深谷幸司氏はみている。
それでも上田氏は「当面、円安トレンドは変わらないだろう。ドルが99円台まで下落すれば、機関投資家などの買いも出てくるだろう。ただ、円安トレンドがドル高トレンドに転換していくか否かは、雇用統計などの米経済指標次第だろう」との見方を示している。
ドル高トレンドにスイッチした際には、当然ながら、現在数年ぶりの高値圏で推移するクロス円の下落が予想される。