「ボロボロにされた女性」が集う施設のリアル

多くは性暴力の被害者、加害者は身内

1日3食の食事が提供される食堂。1日の総カロリーは1700~1800カロリー程度に計算されている(編集部撮影)

施設内を案内してもらう。平日昼間なので女性たちは働きに出ていて、施設には誰もいない。それぞれに割り当てられる個室や、食堂は広く、専門の栄養士がメニューを考えた食事が1日3食提供される。安心できる場所で暮らしながら、ソーシャルワーカーたちが個別対応し、それぞれの方法で自立を目指している。

女性への偏見と抑圧

施設内を歩きながら、施設長はDVで苦しむ女性や子どもたちの話をしてくれた。性暴力に暴力、共通するのは身勝手な男性たちだ。節々に男性優位な社会への怒りを感じる。

入居者に与えられる個室。携帯やスマホは没収され、1年以上同じ勤め先で外勤した場合のみ、持つことが許可される(編集部撮影)

「婦人保護施設を利用する女性たちは全員なんらかの形で、暴力を受けてきています。なぜ暴力を受けるかというと、根っこにあるのはやっぱり差別。特に男性による女性への差別。女性への偏見と抑圧ですね。どの人もすごくジェンダーの問題と、日本がずっと引きずっている男性優位社会の影響が見受けられる」(横田施設長)

身体的、経済的、精神的な暴力を受けてシェルターに保護され、立ち直れなければ離婚から貧困、精神疾患となって、最終的には婦人保護施設にたどり着いてしまう。婦人保護施設は最終的なセーフティネットなので、最も状態や状況の悪い女性たちが集う。男性たちから受けるさまざまな暴力の中でも、最もダメージが大きく、婦人保護施設に措置される女性で数多いのが性暴力という。

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