日経平均株価の反発を示唆する「3つの指標」 11月は「売られすぎの10月」の反動で上昇へ?

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2つ目のモノサシは、「信用評価損益率」だ。これも騰落レシオに次いで、相場の天井や底入れの指針となりうる。信用買いした投資家の建玉(保有株)がどれくらいの損益になっているのかをパーセントで表しており、現状はマイナス圏で推移している。信用取引は手元現金の3倍近くまで大きく売買できるメリットがある反面、もくろみが外れたときは大きな痛手を被る。通常-15%前後が売られ過ぎの水準とされている。

10月の日本株は27年ぶりの高値から一転、株価急落が続いた。信用取引で株式を買っている投資家は含み損が膨らみ、追い証(追加証拠金)にともなう投げ売りを迫られたようだ。信用評価損益率は10月下旬に-16%台まで悪化していたが、11月上旬に-10%台まで改善してきた。二市場(東証、名証)の信用買い残高も同期間で減少し、仮需市場では売り一巡感が台頭しつつある。

高止まりしている「空売り比率」の「正しい見方」

最後に3つ目のモノサシは「空売り比率」だ。空売りとは先に売って、その後買い戻す取引を言う。東証全体の売買代金に対して、空売りする売買代金が高いのは、「短期的には株安」と読む投資家が多いとみなす。2018年10月23日の空売り比率が50%台(2008年11月の算出時以来、過去最高水準)をつけたのち、10月26日の日経平均株価は2万0900円台まで急落した。ただ、11月7日時点での空売り比率は45%台と高止まったままだ。

足元では信用倍率が低い(売り残が多い)銘柄の買い戻しの動きが目立っている。空売りした株式はいずれ買い戻す必要がある。そのため、いったん株価が底入れしたあとの空売り比率の高止まりは、相場全体の下支え要因になりやすい。

11月6日のアメリカ中間選挙では共和党が上院で過半数の議席を維持した。一方、下院は民主党が過半数を奪還しねじれ議会となった。ただ、市場はすでに織り込み済みとの見方もあり、米政治不透明感の後退は株式市場で好感されていくはずだ。

このように、日本株の需給面をみる限り、3つのモノサシからみると底入れ感や売り一巡感がうかがえる。また、11月の日経平均株価は2017年まで「6年連続高で負けなし」だ。その平均上昇率は+5%超と、1ヵ月間での反発力が際立っている。さらに日経平均株価採用銘柄の予想株価収益率(PER)は12倍台まで低下。アベノミクス相場の平均レンジ14倍~16倍を下回る。そんななか、11月9日、国内企業の決算発表はピークを迎える。利益見通しの引き上げ傾向が続けば、「業績評価の再開」で日本株は戻りを試しそうだ。

足元での「3つのテクニカル指標」は以下の通りだ。
騰落レシオ74.9%(日経平均)空売り比率45.4%(REITなども含む)、信用評価損益率 -10.44%(東証・名証の合計、評価損率は11月2日申込時点)。

最後に日経平均株価における重要な節目をあげておく(11月7日時点)。
2万4270円 2018年10月高値(年初来高値)
2万2764円 2017年末値
2万2685円 75日線(中期線)
2万2493円 52週線(長期線)
2万2429円 25日線(短期線)
2万2388円 200日線(長期線)
2万2085円 2018年11月7日終値
2万1857円 2018年8月安値(トルコリラ急落)
2万1546円 2018年7月安値(貿易摩擦再燃)
2万1149円 2018年10月安値
2万0868円 2015年6月高値(中国人民元切り下げに伴う急落前の高値)
2万0617円 2018年3月安値(年初来安値)

中村 克彦 みずほ証券 シニアテクニカルアナリスト

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なかむら かつひこ / Katsuhiko Nakamura

IFTA国際検定テクニカルアナリスト(MFTA)、日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)評議員。

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