日立化成「29製品で検査データ改ざん」の衝撃 国内の7事業所すべてで不正をしていた
「このように広い製品について不適切な行為を行っていたということで、経営者として慙愧の念に堪えないところでございます。関係者の皆様に深くお詫び申し上げます…」
近年、大企業の品質問題の発覚は珍しくもない中、「製品の広がり」という点で過去にない規模の不祥事が発覚した。
電子機器などに使われる特殊化学品大手の日立化成は11月2日、半導体材料など幅広い製品で検査不正が行われていたと発表した。同社は6月末に産業用鉛蓄電池で検査不正があったことを発表。7月から特別調査委員会を設け、調査を進めていた。
不正は売上高の1割に相当
新たに判明した検査不正は、主力の29製品に及ぶ。2017年度の連結売上高6692億円の約1割に相当し、対象顧客は延べ1900社に達する。
「大変深刻な事だ。襟を正して一から信頼回復に努めないといけない」。同社の丸山寿社長は会見で何度も反省の言葉を口にした。一方、製品の性能や安全性については、「現時点では性能上の不具合、安全上の問題、法令違反は確認されていない」と強調した。
検査に不正がありながら、性能にも安全にも問題ないとはどういうことか。
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