上越新幹線「新潟空港乗り入れ」は実現するか

地元で高まる「空港延伸」「羽越新幹線」の期待

上越新幹線の新潟空港延伸の主なメリットは次の3点に集約することができる。

1つ目のメリットは、上越新幹線沿線から新潟空港への高速鉄道によるダイレクトアクセスが実現する点だ。羽田空港や成田空港と距離が離れている群馬県も、上越新幹線の新潟空港延伸を大きなメリットが期待できるプロジェクトであるととらえている。

たとえば、高崎駅から羽田空港への鉄道アクセスでは、新幹線・在来線利用とも途中で必ず乗り換えが必要であり、また東日本旅客鉄道(JR東日本)による羽田空港アクセス線が開業して直通列車が利用できるようになったとしても所要時間は約2時間は要すると予想される。成田空港へはさらに時間を要するのが現状だ。

2つ目は、新潟空港へのアクセスが向上すれば、新潟―関西国際空港間のピーチ航空の1往復にとどまっているLCCの誘致を促進し、新潟県来訪者の増加を図る道筋も見えてくることである。

新潟市内で開かれた集会で講演する久間章生元防衛大臣(筆者撮影)

3つ目のメリットとして、鉄道アクセスがない新潟空港周辺と新潟駅の間のアクセス向上により、空港利用者のみならず、周辺地域の人たちの生活路線としての利用も期待できる点だ。ただし、生活路線としての利用を促進するためには、西日本旅客鉄道(JR西日本)の博多南線と同様に、利用しやすい特急料金の設定や途中駅の設置がカギを握る。

富山と青森を結ぶ「羽越新幹線構想」も

一方、上越新幹線にはもう1つ巨大プロジェクトの構想がある。「羽越新幹線構想」だ。富山市と青森市を、新潟市や秋田市など日本海側を経由して結ぶ新幹線の基本計画路線であり、秋田市で福島市とを結ぶ奥羽新幹線と接続する。

羽越新幹線については、花角知事が今年6月の新潟県議会定例会で、日本海国土軸の形成を図るため、日本海側を縦断し、上中下越を一体的に結ぶ羽越新幹線計画の実現に向けて取り組みを進めることを表明したほか、山形県や県内の市町村と経済団体などで構成する「山形県奥羽・羽越新幹線整備実現同盟」(会長・吉村美栄子山形県知事)が秋田県と連携して、実現に向けた活動を活発化させている。

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