建設現場も曲者だ。周辺は干潟や水田が広がる軟弱地盤。そこで高架橋を支える杭をあえて傾けながら打ち込むことで、地震の揺れに抵抗力をつける設計にした。
斜めに杭を打ち込むのは、鉄道の本線工事では日本初だという。記者が訪れた時はちょうど杭を打ち込む準備が進められていたが、ボーリング調査の地点より硬い地盤が深い位置にあったため、杭をクレーンで吊り上げ、4度の傾きを死守しながら接木のように継ぎ足していた。
取材当日の気温は20度を超え、現場は久々の暖かい陽気を謳歌した。だが、この先厳しい寒さに見舞われる冬でも工事は休まず続く。同じ小松市にある梯(かけはし)川橋梁の建設現場では、昨年に60cm近い積雪に見舞われ、従業員総出で雪かきに奔走した。多分に漏れず人手や重機など「何もかも足りない」(木塲(こば)康幸所長)状況で、工事事務所の入口には「技術者募集」ののぼりが何本もはためいていた。
3年間の開業前倒しもあり、工期には決して余裕はない。だが急いで工事を進めた結果、事故を起こしては元も子もない。
そこで安全教育にイラストをふんだんに使用したり、地元小松市の伝統芸能である歌舞伎を随所に盛り込んだりするなど、「視覚言語をふんだんに活用している」(木塲所長)。おかげでこれまで延べ70万時間無事故・無災害だ。
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