人手も機材も不足、「北陸新幹線延伸」の現状

金沢―敦賀2022年度開業へ「工事急ピッチ」

北陸新幹線九頭竜川橋梁の工事現場。氾濫時は堤防にある資機材をすべて撤収する(記者撮影)

北陸新幹線長野―金沢間が開業して3年半。富山県と石川県では、開業前と比較して観光客数が1割以上増加するなど、新たな鉄路の恩恵に沸く。続く石川県金沢市から福井県敦賀市までの区間は、2022年度の開業が予定されている。

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北陸新幹線の建設工事を発注している鉄道建設・運輸施設整備支援機構によれば、今年2月時点で金沢―敦賀間のトンネルの完成率は18%、明かり区間(トンネル以外の部分)の工事に至っては5%と緒に就いたばかり。開業時期が元々計画されていた2025年度から前倒しされたことも相まって、何としても開業に遅れまいと、急ピッチで工事が進む。

延伸部分とはいえ区間延長は約114kmにも及ぶため、スーパーゼネコンから地元の建設業者まで、日本中のゼネコンが総出で建設に取りかかる。あまたのゼネコンの中でも存在感を放つのが、鉄道工事を得意とする中堅ゼネコンの鉄建建設だ。2018年3月期の売上高1685億円のうち約半分を鉄道関連が占め、敦賀までの延伸工事でも高架橋とトンネルをそれぞれ1カ所、橋梁3カ所と総延長の8%にあたる約10kmの工事に携わる。開業まで4年を切り、姿を現しつつある北陸地方の大動脈。その建設に携わる人々の姿を取材した。

人も、重機も、材料も足りない!

北陸新幹線、既開業区間と延伸区間(編集部作成)

石川県小松市。空港を離発着する航空機のエンジン音が青空に響く中、小松木場潟(北)高架橋の建設現場ではクレーンがうなり声を上げていた。霊峰として名高い白山が視界に広がるのどかな現場だが、今年春、ちょっとした騒動があった。「生コンクリート(生コン)に2カ月の出荷制限がかかった」。鉄建建設の上野宏史所長は当時の苦労を振り返る。石川県及び福井県内一帯で北陸新幹線の建設工事が一斉に始まり、建設に必要な生コンの需要が逼迫し、工場の出荷が追いつかなくなった。

トンネルや高架橋など主要部分の工事はほとんどゼネコンに発注済みだ。時期のずれはあるものの、ゼネコン各社は工期に間に合わせるべく、すぐに職人や重機、資材を抑えにかかるため、近隣の工区とバッティングすることも少なくない。「職人も取り合いで、長野や愛知から大工を呼び寄せたこともある」(上野所長)。

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