NISAとiDeCo、これが税制面でお得な活用法だ

やっぱりよく使っているのは高齢世代だった

NISAは、当初、年間の非課税投資上限額が100万円で、投資可能期間および非課税期間がいずれも2014年1月から3年間の時限措置として、スタートした。

その後、2013年度税制改正において、老後の備えや教育資金等、国民の資産形成を本格的に支援するためには制度の長期化が望ましいとの観点から、投資可能期間は2023年12月までの10年間に延長され、非課税期間は最長5年間に拡充された。加えて2015年度税制改正では、毎月の積立投資を後押しするために非課税投資上限額を100万円から120万円に拡充した。これが現在、一般NISAと呼ばれるものである。

次いで2017年度税制改正では、長期にわたる少額からの積立・分散投資を強く後押しする観点から、非課税期間が20年間におよび、非課税累積投資契約にかかる非課税制度が2037年までの時限措置として新設、2018年1月から買い付けが可能となった。これは「つみたてNISA」と呼ばれる。

つみたてNISAは、20年間という長きにわたる非課税期間を想定していることから、現役世代の人が老後の生活資金を蓄えることにも向いているということで、20~40歳代の人がさっそく口座を開設、利用し始めている。ただ、2037年までの時限措置なので、2019年になると非課税期間は19年間、2020年になると非課税期間は18年間と、1年経つごとに非課税期間が1年短くなる仕組みとなっている。

NISA制度を所管する金融庁は、2019年度税制改正要望として、今年の8月末にNISA制度の恒久化を正式に要望した。

iDeCoは給付時に課税される

他方、iDeCoは、税制優遇のある確定拠出(DC)型の個人年金だ。税制優遇のある確定拠出型の個人年金は、国民の高齢期における所得の確保にかかる自主的な努力を支援し、公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的に創設、2001年10月に始まった。その後、数回の改正によって、拠出限度額が引き上げられ、加入対象範囲が拡大。今では、対象者によって年間拠出限度額は異なるものの、2017年1月から60歳未満の個人はほぼすべて利用可能となった。

iDeCoの税制優遇は、拠出時と運用時には非課税(E)だが、給付時には課税(T)とする、「EET型」といわれる。iDeCoは、公的年金の補完という性質があるため、公的年金保険料が拠出時に所得税が非課税(社会保険料控除)となることに倣い、iDeCoへの拠出も控除されて所得税が非課税となる。運用時にも、iDeCoに拠出したお金で稼いだ運用益には所得税を課さないこととしており、こうした税制上の優遇を与える点は、NISAと同じだ。ただ、拠出時に非課税にしているから、iDeCoは年金または一時金の形で受け取るときには、所得として所得税の課税対象となる。

またiDeCoの場合、公的年金の補完という性質があるから、原則として60歳になるまで途中で取り崩すことはできない。

NISAとiDeCoには、概してこうした違いがある。では実際にどちらがお得なのだろうか。

結論から言うと、主として、所得税上の控除がどれだけ受けられるか、貯めたお金をいつ使うか、というニーズや好みによって決まる。

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