イオンが引き金、食品スーパー大再編へ号砲 地方小売りの提携・再編が相次ぐ理由とは?

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会見の席で握手を交わすイオンの岡田元也社長(左)とフジの尾﨑英雄会長。普段から仲がいい(撮影:大澤 誠)

「業界再編の機運が一気に高まってきた」。北海道でシェアトップの食品スーパー・アークスの横山清社長はそう語る。

食品スーパー業界では近年、提携や再編が相次いでいる。ドラッグストアが食品を強化するなど新たな競合の台頭を背景に、今後も大型の合従連衡が進む可能性がある。その引き金となりそうなのがGMS(総合スーパー)最大手、イオンの提携戦略だ。

以前から交流があったイオンとフジ

10月12日、同社は中国・四国地方を地盤とするスーパー、フジとの資本提携を発表した。2019年2月末をメドにイオンがフジの株式を最大15%取得。フジもイオンの子会社、マックスバリュ西日本の株式をイオンから取得する。商品の共同調達など、さまざまな形の協業を模索する。

イオンとフジは、先代社長時代から業界団体を通じて交流があった。現任の岡田元也イオン社長と尾﨑英雄フジ会長も、歳が同じで「仲がいい」(業界関係者)。表向きは約2年前にイオンから提携を打診したとされるが、「実質的にはフジがイオンに助けを求めた」(同)という。

フジは財務体質が良好で、今2018年度の純利益が過去最高を更新する見込み。だが、地元の愛媛は人口が20年後に約2割減るとされ、需要の先細りが懸念される。加えて、中・四国には小粒ながら地元民に支持されている強いスーパーが複数ある。

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