プーチンが密かに狙う北方領土「1島返還」

日本の立場に不満を示している

北方領土問題に対しロシアのプーチン大統領は「1島返還」をもくろんでいるようだ(写真:Mikhail Svetlov/Getty Images)

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は10月18日、世界のロシア専門家を集めて毎年行うバルダイ会議で、北方領土問題について、前提条件なしに年内に日露平和条約を締結するとの9月の提案に対し、安倍晋三首相が直後の非公式協議で、「日本はそのようなアプローチは容認できない。先に領土問題を解決すべきだ」と述べて、提案を拒否したことを明らかにした。大統領は「それでもいいが、われわれは70年間足踏みをしている。出口が見えてこない」と述べ、日本の立場に不満を示した。

 島の質問「面白くないな」

大統領は発言前、日本人からの質問と知ると、「島の質問か。面白くないな」と軽くいなし、「日本がたえず提起する領土問題は、われわれは存在しないとみなしているが、にもかかわらず、対話を拒否していない」と述べ、領土問題は存在しないとの認識を示した。

本記事は会員制国際情報サイト「Foresight(フォーサイト)」(新潮社)からの転載記事です。元記事はこちら

また、「われわれは安倍首相の要請を受け、元島民の墓参要件を緩和するなど、信頼に必要な条件を作り出してきた。

しかし、日本はわれわれに制裁を科している。シリアやクリミアはどこにあるのか。なぜ制裁を科したのか。それが信頼を高めることになるのか。それでも、われわれは対話を継続する用意があり、接触を避けていない」とクリミア併合後に日本が欧米に追随して発動した制裁を改めて批判した。

さらに、「われわれは中国と40年間領土問題を交渉し、先に善隣友好協力条約を締結した後、領土問題を決着した。友好関係を構築し、領土問題を解決する条件を整え、妥協的な解決策を見出した。安倍首相にも、先に平和条約を結んでも領土を棚上げするわけではないことを話した。中国との関係を前例にしようというのが私の提案だった」と述べ、現状では袋小路が続くとの認識を示した。

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