爆笑問題「視聴者にボケが伝わらない悲しさ」 安倍晋三首相への忖度などはない
――それで、太田さんがご自身のラジオで「あれはさんまさんのネタだから」と擁護したら、今度はさんまさんのほうから「ネタじゃない、本気や」って返されて。
田中:それもねえ……(苦笑)。さんまさんが「太田、かばってくれてありがとう」なんて言うわけがないんだから。「太田、なに言うてんねん、俺はマジやねん」っていうのもギャグだっていうこともわかってくれないっていう。芸人が真実を言わなきゃいけないって、いつからそうなったのか。
太田:結構テレビを信頼してるってことだよね。テレビは品行方正じゃなきゃいけないと思ってるんだ。俺らが視聴者だったときは「テレビなんて……」っていう空気だったんだけど。今はテレビに正義を求めるんだろうね。
――なるほど。一部のネットユーザーの間ではマスコミを敵視する風潮もありますが、むしろ信頼しすぎているんじゃないか、ということですね。
田中:本当にそうで、ネットの話題なんてテレビの話ばっかりじゃないですか。誰が何を言った、とか。
安倍総理への忖度はない
――ネットでは陰謀論のようなものも広まりやすいですよね。お2人が2015年にNHKの『初笑い東西寄席』という番組で漫才を披露したとき、制作者から政治的なネタを削ることを求められて、ネタを差し替えたということがあったじゃないですか。それに関してもマスコミでは「政府の圧力だ」と言われたりしましたよね。
太田:あれは俺たちのラジオで、田中が口を滑らせて。
田中:こんなことになるとは思わなかったからね。面倒くさかったねえ(笑)。NHK全体の総意としてではなく、そのディレクターの個人の判断として、政治のネタをちょっとやらないでほしいって言われただけなんだよね。
そのディレクターと仕事をするのが初めてだったから「おかしいなあ、いままでこんなレベルはOKだったのに」って、カチンときてたっていうのは多少あったんだけど。でも、それをラジオで話したら、もう完全に自民党からの圧力みたいに言われて。
太田:あのとき、ちょうど安倍(晋三)さんの「桜を見る会」に呼ばれていて、それに行くか行かないかっていうのもあって。あれもみんなが「圧力はあった」っていうことにしたかったんだな。「ない」って言うと、今度は「安倍にすり寄った」って言われる。
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